消費者が直接、アーティストの「パトロン」になる?
── 欧米ではレコード会社の存在が薄くなりつつある時代において、日本のアーティストも独立できるでしょうか?
津田 これは、アーティストの意識がどう変わるかという一点に尽きると思います。
日本の場合、欧米と比べてマネージメント事務所の力が非常に強く、またアーティストも面倒な作業を事務所任せにする傾向が強いんです。ネットを利用して自力で売り込むなら、泥臭いプロモーションや売り方といった部分を自分たちで引き受ける覚悟が必要でしょう。
── 昔は、ある意味レコード会社が「パトロン」(経済的な支援者)として機能していたわけですよね。津田さんはパトロンシステムについてどう考えられています?
津田 シャーラタンズのニューアルバムの無料配布は、英国のラジオ局「XFM」がスポンサーになっています。マドンナの件もそうですが、アーティストが今後活動していくためのファイナンスをレコード会社以外が行なうようになった、ということがこれらの動きから読み取れることじゃないでしょうか。
見方を変えれば、既存のレコード会社がアーティストのパトロンたりえなくなっているということかもしれませんね。ライブにしてもダウンロード直販にしても、「ファンという集合体」がパトロンとして成立しうるようになったのが今の時代で、それを可能にしたのがネットというテクノロジーなんでしょう。
筆者紹介─津田大介
インターネット媒体やビジネス誌を中心に、幅広いジャンルの記事を執筆するライター/ITジャーナリスト。音楽配信、ファイル交換ソフト、CCCDなどのデジタル著作権問題などに造詣が深い。音楽配信関連の話題を扱うウェブサイト「音楽配信メモ」の管理人としても知られる。この8月に小寺信良氏との共著で「CONTENT'S FUTURE」を出版。














