「ダウンロード違法化」は録音や録画だけ?
── 「ダウンロード違法化」は、以前の記事でも触れられていた、「不正にアップロードされた違法コンテンツをダウンロードする行為を罪にする」という話ですよね?
津田 ええ。結局、「違法化することが適当」という結論でまとまり、今回の会合でもやはり議論はありませんでした。
僕はこのダウンロード違法化について反対しています。今回、著作権分科会の議論のポイントとしては、以前、「音楽や動画のダウンロードを違法化したら、ほかの業界も同様に保護してほしいと求めてくるのでは」と危惧していたことが、現実になったということですね。
審議会では、社団法人コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)で理事長を務める(株)カプコンの辻本憲三さんが、「なぜ録音や録画だけに限定されているのか。音楽業界は違法ダウンロードによって不利益が顕在化しているといわれているが、ゲームでも顕在化している。すべての著作物を対象にすべき」という主旨の意見をおっしゃってました。
個人的には「ほれみたことか」という印象で、どうしてもこういう議論にならざるを得ないし、今後この法改正が通れば、ほかの業界も間違いなく文化庁に対して要望してくるでしょうね。
── 「私的録音補償金制度」はどうなるのでしょう? 「iPod課金」があるのかどうか、そのほかどのデジタルデバイスに課金されそうなのかが気になります。
津田 「機器の利用実態を踏まえて、どの機器に課金するのが適切なのかを見直す必要がある」という段階で、まだ完全な結論は決まっていません。HDDレコーダーやiPodは課金すべきだが、パソコンや携帯電話機に課金するかどうかは、意見が一致していないという状況です。
── 「著作権の保護期間延長」についてはどうでしょう。現状の50年から70年に延長する方向に向かいそうでしょうか?
津田 こちらは、審議会でも意見がまっぷたつに割れていて、話し合いが進まない状況です。まだ議論の途中で結論が出せない状況なので、来年度の国会で改正が決まるということはないんじゃないでしょうか。
このあたりの議論は12日に行なった「著作権の保護期間の延長問題を考えるフォーラム」の公開シンポジウムで「保護期間を延長しても経済的にはほとんどメリットがない」ということを理論的に紹介しています。フォーラムのウェブページに各種資料があるので、興味のある人はぜひ見てください。
始まったパブリックコメントの受け付け
── 中間報告のあとは、どういうアクションが取られるのでしょう?
津田 中間報告で基本方針を確認し、それを来年の方針としてまとめたあと、パブリックコメントを1ヵ月受け付けます。そのあと国会に送られて、法改正するかどうかを話し合います。
すでにパブリックコメントの受け付けは始まっているので、今回の中間報告に意見のある方はぜひ出してほしいですね。
── ちなみに津田さんは、来年も著作権分科会の小委員会に参加されますかね?
津田 どうなんでしょうかね? 私的録音録画小委員会については、今年で期限が終わりますし、文化庁が「一定の結論が出た」と判断するなら、この小委員会自体がなくなると思います。
文化庁の川瀬さん(文化庁著作権課の川瀬真氏)には「来年も何かの小委員会に呼んでくださいね」とお願いしたんですが、どうなるかは正直わかりませんね(笑)。
筆者紹介─津田大介
インターネット媒体やビジネス誌を中心に、幅広いジャンルの記事を執筆するライター/ITジャーナリスト。音楽配信、ファイル交換ソフト、CCCDなどのデジタル著作権問題などに造詣が深い。音楽配信関連の話題を扱うウェブサイト「音楽配信メモ」の管理人としても知られる。この8月に小寺信良氏との共著で「CONTENT'S FUTURE」を出版。














