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feedpath Zebraとサイボウズが連携――SaaSのメリット生かす

2007年10月16日 22時18分更新

文● アスキービジネス編集部

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フィードパスは、10月16日、SaaSモデルで提供するWebメール「feedpath Zebra」と同社が提供するグループウェア「サイボウズ Office 6 for ASP」との連携サービスを発表した。新サービスの利用で、Zebra側にサイボウズのスケジュールを取り込めるようになる。


日本文化に根ざしたサイボウズとの使い分けを提唱


 「feedpath Zebraを売り込みに行っても、中小企業ではすでにサイボウズが入っていることも多かった」――。フィードパスの事業企画室長である葛山哲司氏はこう打ち明ける。「feedpath Zebra」(以下、Zebra)は同社がSaaSモデルで提供するWebメールを中核としたコラボレーションツールだ。

 フィードパスは、10月16日、Zebraと同社が提供するASPサービス「サイボウズ Office 6 for ASP」(以下サイボウズASP)との連携サービスを発表した。サイボウズを使い慣れたユーザーに対して、Zebraとの使い分けを提唱し、ユーザーの利便性向上を図るのが狙いだ。「Zebraのスケジュール機能は欧米の“個”が主体の発想。組織単位でのスケジュールの把握など、日本の企業文化に対してはサイボウズの機能が優れている」(葛山氏)。

連携サービスを利用すると、feedpath Zebraからサイボウズのスケジュール画面を呼び出したり(左)、Zebraにサイボウズのスケジュールを取り込むことができる(右)

 連携サービスを利用すると、大きく、(1)ZebraからサイボウズASPのスケジュールの取り込み(片方向のみ)、(2)ZebraからサイボウズASPのスケジュール入力画面の呼び出し――の2つができるようになる。Zebraがもともと備える、メール本文の日付情報などから当日のスケジュールをポップアップ表示する機能や、リマインダなどの機能も利用可能だ。

 Zebraには、他システムとの連携を容易に行なえる「Zimlet」と呼ばれる機能があり、これによってすでにSalesforceやコクヨのASPサービス「@Tovas」との連携を実現している(関連記事)。今回はフィードパスがサイボウズASP連携用のZimletを開発し、サイボウズ側のAPIを呼び出すことで、スケジュールを取り込めるようにした。

 連携サービスを利用するための追加料金は不要だが、ZebraとサイボウズASPの両方の契約が必要。12月14日までに契約したユーザーに対しては、合計で月額3980円のところを月額1980円で継続的に提供するキャンペーンを展開する。なお、同キャンペーンの対象となるのは最低30ユーザーからとなる。

feedpath Zebraとサイボウズが 連携――SaaSの...

フィードパス代表取締役社長 津幡靖久氏

 フィードパスの代表取締役社長である津幡靖久氏は、「SaaSのメリットはコストや運用管理面で語られることが多いが、これからはパッケージにない“柔軟で早い連携”という面が主流になってくるのではないか」と新サービスの意義を強調。「まずは今期、情報系サービスであるZebraでSaaSビジネスの基盤を確立させる。将来的には、会計などの基幹系のサービスも取り込み、サイボウズが捉えきれないニーズは我々が取り込んでいきたい」と、SaaS事業拡大へ向けて意欲を見せた。

「ASPは失敗ではなかった」――サイボウズの青野社長


feedpath Zebraとサイボウズが 連携――SaaSの...

 「“ASPは失敗した”とおっしゃる方が多い。その前提に立って、いま、SaaSが盛り上がっているといわれる。だが、少なくとも当社のビジネスでは、ASPは決して失敗ではなかった」。会見に同席したサイボウズの代表取締役社長である青野慶久氏はこう強調した。同社では、SI企業やホスティング業者に対してASPサービス用のライセンスを卸していて、その販売実績は提供開始から右肩上がり。「十分儲かっている」(青野氏)という。

 なお、サイボウズグループでは、フィードパスをグループにおける戦略的なASP/SaaSプロバイダと位置づけ、サイボウズ本体はソフトウェアメーカーとしての立場に専念する方針を打ち出している。青野氏は同社が参加するMIJS(メイド・イン・ジャパンソフトウェア)コンソーシアムによるSaaS基盤開発などの動向をにらみ、フィードパスに対して、「SaaSによる高い付加価値を提供する、日本のSaaS提供母体として育ってもらえれば」と要望した。

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