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「W5」と「W7」の温度を計測してみた

【レビュー】冷却ファンの効果は絶大! モバイルノート「Let'snote W7」

2007年10月22日 19時17分更新

文● 石井英男

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ファン回転数は3段階に設定できる


 まず気になる騒音だが、このファンの回転数は温度に応じて細かく制御されるため、その騒音も環境や利用状況によって異なる。

 例えば、ウェブブラウズや文書作成といった比較的軽い作業を一般的なオフィスで行なった場合は、ほとんど気にならないレベルだった。夜に自宅で使っている場合は、周囲が静かなこともあって騒音がやや気になることがあったが、それでもうるさいというほどではない。ただし、後述のテストのように、ハイビジョン動画の再生などCPUに高い負荷をかけると、ファンの回転数が上がって騒音も多少耳障りになってくる。

 こうしたファンの騒音が気になる人は、今回のモデルから用意された「ファン制御ユーティリティ」でファンの回転速度を設定し直す手段もある。

ファン制御ユーティリティ

「ファン制御ユーティリティ」を利用することで、ファンの回転数を「標準」「高速」「低速」の3段階から選択できる

 出荷時の状態では、バランスがとれた「標準」に設定されているが(前述した騒音についての印象も「標準」でのもの)、CPUパフォーマンスを優先するなら標準よりも回転数の高い「高速」に、逆にCPUパワーが落ちても静音重視なら標準よりも回転数が低い「低速」を選べばいい。

 実際に低速にしてみると、ファンの音がさらに小さくなり、低負荷状態なら静かな深夜でもほとんど聞こえないレベルになった(温度が十分低いときには、ファンの回転が停止する)。静音性重視の人でも、「低速」にすれば、ほぼ満足できるだろう。また、周囲の温度が高い場合でも、パフォーマンスは落としたくないというのなら「高速」にすることも可能だ。



ファンの効果で、本体の温度が大きく下がった


 次にW7とファンなしのW5で、ハイビジョン動画を再生するという高い負荷をかけた状態で、ファンの冷却能力を検証してみた。

テスト条件

CT-2000

放射温度計「CT-2000」

 W7とW5でWMV形式のハイビジョン動画(720p)を「Windows Media Player」で連続1時間再生させたあと、(株)カスタムの放射温度計「CT-2000」を用いて、パームレストの左右、キーボード左右、底面手前左右、底面奥左右の合計8個所の温度を計測した。W5/W7ともに電源プランは初期出荷状態の「パナソニックの電源管理」に設定。さらにW7のファン制御ユーティリティは、「標準」に指定してある。

W7のキーボード面の温度

W7キーボード面の温度

W5のキーボード面の温度

W5キーボード面の温度

W7底面の温度

W7底面の温度

W5底面の温度

W5底面の温度

 結果は写真のとおりで、W7のファンの効果は絶大といえる。W7は最も温度が高かった底面手前左でも42度だったのに対し、W5は底面奥左の温度が52度にも達している。また、パームレストやキーボードの温度についても、W7ではすべて33度以下になっているが、W5はキーボード左が47度に、パームレスト左も40度まで上がっている。

 実際に手で触ってみても、W5は明らかに熱さを感じ、快適に利用することはできないレベルだ。底面の温度もW5は全体的に高く、このままではひざの上に乗せて使うのは厳しい。

 W7もW5も、CPUは同じ「Core 2 Duo U7500」だが、後述のようにパフォーマンスについては、最新チップセットを搭載したW7のほうが上だ。W7はファンの搭載で冷却能力が大きく向上し、快適に使えるようになったといえる。もちろん、温度が上がりすぎてパフォーマンスが低下する恐れもない。



性能もW5から大幅にアップ!


 W7のチップセットは、W5の「Intel 945GMS Express」から変更されて、最新のIntel GM965 Expressを搭載するようになった。Intel GM965 Expressは、内蔵グラフィックスコアの世代が新しくなったほか、デュアルチャネルメモリアクセスもサポートしているので、システム全体のパフォーマンスが大きく向上している。

 どれくらいパフォーマンスが上がったのか、フィンランドFuturemark社のベンチマークソフト「PCMark05」で計測してみると、総合スコア(表の「PCMark」)ではW5が「1809」なのに対して、W7は「2380」と3割以上も向上していた。個別にスコアを見ていくと「Graphics」は約2倍とW7が大差を付けているうえ、「HDD」もW7のほうが約4割ほど大きい。

PCMark05のスコア
製品名 Let'snote W7 Let'snote W5
PCMark 2380 1809
CPU 2627 2621
Memory 2486 2442
Graphics 935 507
HDD 3761 2611

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