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柴田文彦の“GUIの基礎と実践” 第1回

柴田文彦の“GUIの基礎と実践”

デスクトップとウィンドウ

2007年10月15日 02時41分更新

文● 柴田文彦

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メニューバーに象徴される操作性の根本的な違い

 MacとWindowsのユーザーインターフェースは、似ているようで似ていない。あるいは逆に似ていないようで似ている、という共通点と相違点が入り交じった微妙な関係だ。どちらも、アイコン、ウィンドウ、メニューなどを、基本的にマウスを使って操作するという大原則はもちろん共通だが、インターフェースを構成する個々のパーツの操作方法や配置にも違いがあるのだ。

 最もはっきりした違いは、メニューバーの位置にある。Macの場合はどんなソフトでも一貫してデスクトップの上辺にあるメニューバーを使うが、Windowsの場合には個々のソフトのメインウィンドウの上辺にメニューバーが用意されている。

 各ウィンドウの上辺(タイトルバー)に、そのウィンドウを操作するボタン類が並んでいる、という点は共通だが、その配置はMacは左寄り、Windowsは右寄りと見事に真逆だ。Windowsの場合は、ウィンドウ操作に関するメニューが、左上隅のアイコンをクリックすることで開くという、特徴的で伝統的な機能もある。

 個々のウィンドウ操作の中には、MacはDockに、Windowsは最小化してタスクバーに収納する、という似たような機能が含まれている。しかしDockとタスクバーは、一見似たようなものながら、機能や操作はかなり異なる。Macはアプリケーションとそのドキュメントを別々に扱うのに対し、Windowsはあくまでウィンドウ単位で、ウィンドウの種類による区別はほとんどないのが特徴だ。

メニューバーの位置

Mac vs Win

【Mac OS X Tiger】すべてのソフトが、デスクトップの上辺というただ1カ所のメニューバーを共有するため、アクティブな(ユーザーが操作中の)ソフトによって、メニューバーの中身がころころと入れ替わる

Mac vs Win

【Windows Vista】操作するウィンドウごとにメニューバーがあるので、アクティブなソフトによってメニューバーの内容が入れ替わることはない。また当然ながら、操作の対象(ウィンドウの中身)とメニューバーの距離も短い


ウィンドウ操作ボタン

Mac vs Win

【Mac OS X Tiger】ウィンドウを直接操作するためのボタンは、ウィンドウごとのタイトルバーに、左から「閉じる」「しまう」「ズーム」という順で並ぶ。中には「×」「−」「+」のような記号もあり、信号機のように色分けされている

Mac vs Win

【Windows Vista】ウィンドウを操作するためのボタンは、やはりタイトルバーに右から「閉じる」「最大化」「最小化」の順で並ぶ。ボタンの大きさには微妙な差がある。記号はアイコン的で、「_」「□」「×」となる


Dock/タスクバーのメニュー1

Mac vs Win

【Mac OS X Tiger】Dockには動作中のアプリケーションソフトのアイコンは必ず格納され、そのメニューからは、そのソフトが開いているドキュメントのウィンドウを選択して開くことが可能

Mac vs Win

【Windows Vista】タスクバーには、開いているか最小化しているかにかかわらず、基本的に1つのウィンドウが1つのボタンとして格納される。そのメニューの内容は、タイトルバーのウィンドウ操作メニューとほとんど同じものだ


Dock/タスクバーのメニュー2

Mac vs Win

【Mac OS X Tiger】Dockには、最小化したドキュメントウィンドウのサムネールが格納される。ただし、このウィンドウを元の大きさに戻すとDockのサムネールは消えてしまう。メニューには「開く」コマンドだけがある

Mac vs Win

【Windows Vista】Vistaでは、タスクバーのボタンにマウスポインターを重ねることで、そのウィンドウのサムネールを表示する。XP以降では、同じソフトのウィンドウが多くなると、まとめて1つのボタンとして表示される


(次ページに続く)

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