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週末見るコンテンツはコレ★ 第11回

【週末見るコンテンツはコレ★】

ストーブの時期にはまだ早い! スティーブン・キングの世界でぶるぶる震えてみる

2007年10月12日 23時41分更新

文● 大石太郎

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 第11回は、多作で知られるホラーの巨匠、スティーブン・キング氏の作品を中心に3作品を紹介する。新発売のDVD「スティーブン・キング デスペレーション」(2006年制作)と、その発売記念キャンペーンでお安くなった「死霊伝説 完全版」(1979年制作)、そしてキング自身が脚本の「シャイニング 特別版」(1997年制作)だ!

Sキング・テイスト満載!! 
サイコな保安官に支配される人々の戦い
「スティーブン・キングのデスペレーション」

デスペレーション

デスペレーションのパッケージ

「スティーブン・キングのデスペレーション」
DVD
価格 3980円
発売日 10月12日(発売中)


http://www.whv.jp/database/database.cgi?cmd=dp&num=6356
販売元 ワーナー・ホーム・ビデオ

 スティーブン・キングは不思議な作家だ。数多くの作品が映画化されているにも関わらず、興行的に成功した作品は驚くほど少ない。「シャイニング」や「デッドゾーン」など、初期の作品は傑作揃いだが大ヒットした作品はあまりない。中期・後期はモダン・ホラーの巨匠と呼ばれながらも、評価を受けている作品は「スタンド・バイ・ミー」や「ショーシャンクの空に」といったヒューマンドラマばかり。しかも本人が原作以外でも関わった作品はほぼ100%の割合でコケている

 ……で、本作はというと、原作に加え、製作総指揮と脚本も手がけている。イヤな予感がビンビンしてしまうのだが、これがなかなかの良作。誰もが体験しうる日常的な事件から恐怖が雪だるま式にふくれあがるキング節が炸裂。大作である原作に忠実でありながら、映画としてもまとまっている。原作者であるキングが脚本と製作総指揮を手がけた意味が十分に発揮された質の高いサスペンス・ホラーだ。

 バイクでアメリカ横断の旅を続けていた老作家は、ハイウェイで無法警官に暴力をふるわれ、荒れ果てた田舎町「デスペレーション」へと連行される。“絶望”という名の町は悪魔の化身のごとき保安官に支配されていた。囚人たちは、神の声を聞く不思議な能力を持つ少年を中心に一致団結。デスペレーションからの脱出を試みるのだが……。

 雪の降ってない「シャイニング」と、狂気を増した「ミザリー」と、「グリーン・マイル」の感動をミックスして熟成させた感じ。キング作品のあらゆる要素は見事に混じり合っている。キング節を心おきなく堪能できる作品だ。

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