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「ファイアウォール、VPNはUTMへのリプレイスが進む」――日立システム

2007年10月09日 21時20分更新

文● アスキービジネス編集部

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日立システムアンドサービスは、10月9日、UTM(統合脅威管理)製品の動向についてプレス向けセミナーを開いた。セミナーでは、UTM市場成長の背景を解説するとともに、同社の販売戦略を説明。保守・サービス体制を整え、製品販売だけでなくサービスと組み合わせてUTM製品の拡販に注力する姿勢を見せた。


ジュニパー製品とサービスの組み合わせでUTM市場の拡大目指す


「ファイアウォール、VPNはUTMへのリプレ イスが進む」――...

日立システム ネットワーク・セキュリティソリューション本部長 西條 洋氏

「UTM(統合脅威管理)の市場が活気づいている。ファイアウォールやVPN専用機からの移行がますます進んでいくだろう」。日立システムアンドサービス(日立システム) ネットワーク・セキュリティソリューション本部長の西條 洋氏は、UTM市場の現状をこのように話す。

 インターネット犯罪の手口の巧妙化、悪質化に伴い、企業のセキュリティ対策はますます複雑性を増している。ウイルス対策やファイアウォールだけでなく、スパムメールやフィッシングメールなどのメールセキュリティ、スパイウェアやフィッシングサイトへのアクセスを防ぐWebフィルタリングなど、さまざまなセキュリティ対策機器の導入が不可欠になっている。

 そこで注目を集めているのが、UTMだ。UTMは、ファイアウォールとVPNをベースに、アンチウイルスやIPS、Webフィルタリングなどの複数のセキュリティ機能を統合したアプライアンス製品。2004年にIDCが提唱し、米フォーティネットが初めて製品化したとされる。一般に、個々の製品を導入する場合に比べて導入が容易であり、低コストで運用可能で、トラブル時の問題の切り分けが迅速に行なえる点がメリットとして挙げられる。

 冒頭に西條氏が指摘したように、UTM市場は従来のセキュリティ専用機に替わって急激な成長が見込まれている。IDCジャパンの調査によると、2007~2011年に予測される市場成長率は、年平均26.8%。右肩下がりのファイアウォール/VPN専用機とは対照的だ。「特に中小企業ではこの流れは加速していくのではないか」(西條氏)。

 こうした状況を受け、日立システムも、UTMの販売に力を注ぐ。同社では従来から、旧NetScreen(現ジュニパーネットワークス)の製品を扱っており、現在はジュニパーのUTM「SSGシリーズ」を販売している。「UTMはさまざまな機能を使うと、どうしてもパフォーマンスが低下してしまうが、SSGシリーズは、他社製品に比べてパフォーマンス劣化が少ないのが特徴」(同社)だという。

 一方でSIベンダー側からすると、UTMは売上を伸ばすことが難しい分野。なぜなら、企業や拠点数に限りがある上に、単体製品に比べても価格は低く抑えられる傾向にあるからだ。そこで、日立システムでは、製品単体の販売だけでなく、サービス・サポートにも力を入れる。「当社には、4000名のSEが在籍しており、ジュニパーの認定資格取得者は170名以上と国内最大規模。こうした強みをアピールしていきたい」(西條氏)。具体的には、事前の評価支援から、24時間365日のオンサイト保守、遠隔監視などのサービスをラインナップする。

「ファイアウォール、VPNはUTMへのリプレ イスが進む」――...

同日発表されたジュニパーのUTMの新製品「SSG 320M」「SSG 350M」

 日立システムでは、同日、中・大規模オフィス/拠点間利用向けにSSGシリーズの新製品「SSG 320M」「SSG 350M」を発表。11月から販売を開始する。新製品を含め、SSGシリーズを今後2年間で1万4000台販売する計画で、「SSGシリーズを担ぐことで、日本のUTMマーケットの拡大を牽引してきたい」(西條氏)と意気込む。

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