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データベースソフト

レビュー:FileMaker Pro 9

2007年10月06日 11時30分更新

文● 茂田カツノリ

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SQLデータベースを参照可能! 基幹業務でもバッチリ使える


FileMaker Pro 9 【SPEC】
開発/販売元●ファイルメーカー(株) 価格●3万9900円(通常版)、1万9950円(アップグレード版)
http://www.filemaker.co.jp/

対応システム●OS X 10.4.8以上 対応機種●PowerPC G3以上、またはインテルCPUを搭載したMac

【COMMENT】
個人ユースでの利便性はもちろん、バージョン9で実現したSQLデータベースとの連携により、基幹システム系にも活躍の場が広がった。


 「FileMaker Pro」(FMP)シリーズは、「Oracle」や「Microsoft Access」などと同様のデータベースソフトだ。

FileMaker Pro 9

「FileMaker Pro 9」の主なインターフェース。(1)新規データベース作成、テキストの書式設定やオブジェクトの配置などが可能なツールバー、(2)データの数だけページを増やせ、入力・閲覧が可能なブラウズモード、(3)データの入力・閲覧画面の設計に使うレイアウトモード、(4)レイアウト作成時の配置に役立つ「オブジェクト情報」ウィンドウ

主な活躍の場は1〜20ユーザー程度の情報整理/共有だが、近年の同製品の高機能化によって本格的な業務システム開発にも十分耐えうる仕様となった。

FileMaker Pro 9

起動直後に現れる「クイックスタート画面」では、データベースの新規作成や既存データベースの編集が可能。ユーザーズガイドや開発者ガイドなどへもアクセスできる

FileMaker Pro 9

「FileMaker Pro 9」の編集画面。ソフトに付属するテンプレートを基に、文字色やフィールド名を編集したり、新規フィールドを追加することも可能だ

FileMaker Pro 9

自動処理を可能にする各種スクリプトも搭載。データベースのレイアウトをPDFで書き出してメールで送信するといった処理を実現できる

バージョン6までのFMPはデータ容量にかなりの制約があったが、7以降は1フィールド2GB/1ファイル8TBと実質的に無制限となり、索引がもたらす高速検索も相まって数十万レコード以上といった規模のデータも扱える。ちなみに、欧米では専門誌も刊行されており、毎年夏に開かれている開発者会議ではホットなテクニック披露合戦が繰り広げられているほどだ。

 共有機能を標準搭載しているので、LAN上の1台のマシンでFMPのデータベースを開いておけば、別マシンの同ソフトでそのデータベースを参照できる。レコード編集時の排他処理などもソフト側で対応してくれるうえ、Mac/Windowsの共存環境でも利用可能だ。

 バージョン9の目玉は、SQLサーバーからデータソースを呼び出して、FMPのレイアウトに配置し再利用できる機能。そのほか、レイアウト時の表現力を増す「条件付書式」「自動サイズ変更」なども搭載する。

 なお上位版の「FileMaker Pro 9 Advanced」では、開発したデータベースをアプリケーション形式に書き出すことが可能。つまり、FMPをインストールしていないマシンでもデータベースを扱えるようになる。またバージョン9では、データベース公開における同時接続数が従来の5ユーザーから9ユーザーに増えている(ウェブ公開では従来通りの5ユーザー)。さらに「FileMaker Server 9」を利用すれば、最大125ファイル/250ユーザーでの共有が可能だ。


(次ページに続く)

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