2007年10月23日 20時25分更新
VPN導入事例のここに注目!
ビジネス拡大に貢献するVPNのメリットとは?
「大江戸温泉物語」がビジネスを拡大する上で、導入したのがNTTコミュニケーションズの「Group-VPN」サービス。事業拡大の上でなぜVPNが必要になったのか? 「Group-VPN」が他の回線サービスと違う部分は何か? 通信事業者が提供するVPNの魅力とは何なのか? 今回の導入事例における技術的なポイントをネットワークマガジン編集長の大谷イビサが解説する。
企業がビジネスを拡大していくと、おのずと拠点が増える。当初、本社社屋だけだった企業が商圏を拡大しようと思えば営業所が増える。営業所が増えれば、それをある程度広い地域で束ねる支社が必要になってくる。また、製造業であれば、売り上げが伸びれば、工場を建てて生産能力を拡大しようとすると考えるだろうし、コスト削減のために海外に生産拠点を移すことも検討するだろう。さらに、企業の買収や合併といった戦略によって、事務所が増えるという例も昨今は増えている。このように拠点が増えてくれば、その拠点同士をつなぐことで、統一した業務システムを用いたり、効率的に情報共有することを考えるだろう。こうした例で利用される広域のネットワークが、VPN(Virtual Private Network)である。
今回紹介している大江戸温泉物語の事例を見ると、そもそも台場で提供している日帰り温泉と宿泊施設がビジネスそのものであり、当初VPNは必要なかった。しかし、他のアミューズメントパークとの差別化、大江戸温泉物語ブランドの拡大、そしてビジネスの継続性など、多くのビジネス的な要件により、温浴施設のチェーンストア化に行き着いた。そして、東京以外の地方にある温泉宿の再生事業という新しいビジネスへの挑戦において、初めてVPN導入の必要性に迫られたのだ。
その結果、本社と各拠点、データセンターをNTTコミュニケーションズの「Group-VPN」でつなぎ、売り上げ情報や予約情報を共有。各拠点で別々のオペレーションを行なうのに比べて、大幅なコスト削減を実現すると共に、マーケティングデータを収集するという目的を実現した。また、統合したコールセンターを持つことで、各温泉宿は本業の接客サービスに注力する環境を構築した。
このようにビジネスの拡大とVPN導入は緊密な関係があるのである。
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| 大江戸温泉物語における「Group-VPN」活用事例(画像クリックで拡大) |
では、VPN以外の選択肢はないのだろうか? VPNが登場する前、拠点間同士の接続は通信事業者が提供していた専用線を用いるのが一般的であった。専用線は文字通り契約した企業のみが利用できる専用回線で、本社と支社、あるいは営業所同士といったように1対1で接続する。他のユーザーと共用しないため、通信品質も安定しており、情報を詐取されたり、のぞき見られるといった危険性はない。そのため、売り上げ情報や予約情報を流す大江戸温泉物語でも、本来はセキュリティの高い専用線を用いて拠点間を直結するのが望ましいはずだ。しかし、距離と帯域に応じてコストが高くなる専用線を導入するのは難しい。
これに対して、VPN(仮想専用線:Virtual Private Network)はのぞき見や改ざんなどの不正アクセスを防ぎ、安全な通信を可能にする技術である。複数のユーザーでネットワークを共用するため、利用のためのコストは安価に抑えられる。VPNは大江戸温泉物語のように、セキュリティとコストで板挟みとなっているユーザーに最適なサービスといえるのだ。
インターネットを用いてエンドユーザー自身がVPNを構築する場合、拠点ごとにVPN装置を設置し、運用管理する必要がある。この場合、価格は抑えられるが、運用管理稼動の増加、通信品質が安定しないなどのデメリットもある。そこで、注目を集めているのが、通信事業者のVPNサービスである。通信事業者のVPNサービスは、閉域網を通信事業者が管理するため、通信品質やセキュリティも高い。もちろん、共用型ネットワークであるため、専用線に比べてコストは安価である。特に「Group-VPN」の場合、足回り回線としてADSLや光などのブロードバンド回線を利用できるのもコストメリットが大きい。
「セキュリティは確保したいが、高価な専用線は導入できない。かといって、インターネットの通信はセキュリティ的に不安だ」という悩みを抱えたユーザーに「Group-VPN」は最適だ。
昨今のビジネスの拡大には、スピードが要求される。ベンチャー企業が事業を次々成功させ、社員やビジネスに合わせて、社屋をどんどん変えていくという例はよく見られるだろう。その点、VPNは、接続拠点数をすぐに増やせる柔軟性の高さもメリットとして挙げられる。大江戸温泉物語の事例では、当初6拠点を結んでおり、新たに3施設の追加を予定しているという。増える温泉宿を、いち早くそれらを統合されたシステムに追加していかなければならない。
その点、ブロードバンド回線を利用する「Group-VPN」のメリットが際だってくる。NTT東日本・西日本のフレッツ・ADSLやBフレッツなどは、高い人口カバー率を誇っており、導入も短期間に行なえる体制が整っている。
今回の事例のポイントとなるのが、高いセキュリティと低廉なコスト、そして柔軟性という3つのポイントである。これらをバランスよく満たすNTTコミュニケーションズの「Group-VPN」は、拡大を前提としたビジネスの展開に最適な通信サービスといえるだろう。
協力:NTTコミュニケーションズ株式会社
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