曲技飛行
いよいよ今回の航空祭の〆となるブルーインパルスの登場だ。この部隊は正式には「第四航空団第11飛行隊」と呼び、現在は松島基地をホームベースにしている。日本が誇る戦闘技術の研究部隊で、オリンピックなどの各種イベントで展示飛行を実施している。使用機種はT-4中等練習機の特別仕様機だ。
高度な技量が必要とされる編隊離陸から始まり、編隊で、あるいは単機での各種演技が我々の頭上でこれでもかと言わんばかりに続けられる。
T-4戦技研究仕様機
ちなみにスモークは数年前から白色のみとなった。人体への安全性のため、ということらしいが、やはり色味が無いのは寂しいものだ。ぜひ色味がありながらも人体に安全な着色剤を開発してほしい。なお、ここに掲載した画像は、当日行われたブルーインパルスの演技のほんの一部に過ぎない。空全部をキャンバスにして描き出すブルーインパルスの芸術は、ぜひ実地で体験していただきたい。
これで航空祭のメインイベントは終了、我々も帰途についたのだが……
石岡駅への道は遠かった
ブルーインパルスの演技が終了すると同時に我々は一気に撤収、バス乗り場へと急いだ。しかし、すでに石岡駅行きのバス乗り場は長蛇の列。演技終了と同時に帰宅を急ぐ観客が一斉にバス乗り場や自家用車用駐車場に押しかけ、それに輸送力の乏しい道路での渋滞が影響し、とんでもない行列になってしまっていたのだ。
以前、筆者が見た岩国基地の米軍の航空祭では、メインイベントが終わった後もF-18などによるサービスフライトなどを実施し、見物客の帰宅ラッシュのピークを分散させていた。空自もそのようなタイムテーブルを採用したらどうか、と思うのだが、いかがなものだろうか。騒音問題など色々あるのだろうが、検討して貰えれば有り難い。
結局、我々特別取材班が石岡駅にたどり着いたのは行列開始1時間後のバス乗車から、さらに2時間後の17時前であった。もちろん手持ちの水などはとっくに切れていたので、曹操の梅林の故事に習い、グミを噛みながらひたすら喉の渇きを耐えた帰路となった。
ということで、我々ASCII.jpミリタリー特別取材班の暑い夏は終わったのだ。
(次ページからは番外編)