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蒼空のキャンバスに鋼鉄の鷲の飛翔を見た!

第25回百里基地航空祭取材レポート

2007年09月29日 23時50分更新

文● アスキー戦車部長Y

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曲技飛行

 いよいよ今回の航空祭の〆となるブルーインパルスの登場だ。この部隊は正式には「第四航空団第11飛行隊」と呼び、現在は松島基地をホームベースにしている。日本が誇る戦闘技術の研究部隊で、オリンピックなどの各種イベントで展示飛行を実施している。使用機種はT-4中等練習機の特別仕様機だ。
 高度な技量が必要とされる編隊離陸から始まり、編隊で、あるいは単機での各種演技が我々の頭上でこれでもかと言わんばかりに続けられる。

ブルーインパルス

エプロンに並ぶブルーインパルス各機。隊長機である1号機から6号機、そして予備機の機番無しの機体まで7機が勢揃いしている

ダイヤモンドテイクオフ

ダイヤモンドテイクオフと呼ばれる演技で離陸するブルーインパルス各機。編隊離陸は高度な技量が要求される技だ。離陸の時点ですでに演技は開始されているのだ

ファンブレイク

ファンブレイク。極めて緊密な編隊を組みながら旋回する。機体相互の距離は10メートルくらいか。旋回中にも編隊が崩れないのはさすがだ

レインフォール

レインフォール。上空から降下し、傘が開くように散開する

ヴァーティカル・キューピッド

ヴァーティカル・キューピッド。ハート射抜く矢が粋な感じですな

デルタループ

デルタループ。これも全機で緊密な編隊を維持しつつ旋回する

T-4戦技研究仕様機

T-4戦技研究仕様機

通常型のT-4に対し、ウィンドウシールドの強化、スモーク発生装置の搭載など改造が加えられている。なお、写真の機体は垂直尾翼に機番がないが、これは予備機のため

 ちなみにスモークは数年前から白色のみとなった。人体への安全性のため、ということらしいが、やはり色味が無いのは寂しいものだ。ぜひ色味がありながらも人体に安全な着色剤を開発してほしい。なお、ここに掲載した画像は、当日行われたブルーインパルスの演技のほんの一部に過ぎない。空全部をキャンバスにして描き出すブルーインパルスの芸術は、ぜひ実地で体験していただきたい。
 これで航空祭のメインイベントは終了、我々も帰途についたのだが……

石岡駅への道は遠かった

 ブルーインパルスの演技が終了すると同時に我々は一気に撤収、バス乗り場へと急いだ。しかし、すでに石岡駅行きのバス乗り場は長蛇の列。演技終了と同時に帰宅を急ぐ観客が一斉にバス乗り場や自家用車用駐車場に押しかけ、それに輸送力の乏しい道路での渋滞が影響し、とんでもない行列になってしまっていたのだ。

バス待ち行列

待っているだけでも汗が噴き出す猛暑の中ひたすらバスを待つ。1時間以上並ばないとバスには乗れないのだ。行列の最後はどこまで続いていたのやら……

 以前、筆者が見た岩国基地の米軍の航空祭では、メインイベントが終わった後もF-18などによるサービスフライトなどを実施し、見物客の帰宅ラッシュのピークを分散させていた。空自もそのようなタイムテーブルを採用したらどうか、と思うのだが、いかがなものだろうか。騒音問題など色々あるのだろうが、検討して貰えれば有り難い。

またもや渋滞

基地内からすでに渋滞が始まっている。これが石岡駅前までほぼ続いていたのだ

 結局、我々特別取材班が石岡駅にたどり着いたのは行列開始1時間後のバス乗車から、さらに2時間後の17時前であった。もちろん手持ちの水などはとっくに切れていたので、曹操の梅林の故事に習い、グミを噛みながらひたすら喉の渇きを耐えた帰路となった。
 ということで、我々ASCII.jpミリタリー特別取材班の暑い夏は終わったのだ。

(次ページからは番外編)

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