最新パーツ性能チェック 第50回
【最新パーツ性能チェックVol.50】
倍率変更可能な「Athlon 64 X2 5000+ Black Edition」でお手軽オーバークロック
2007年09月25日 20時50分更新
ベンチマーク結果は?
パフォーマンスは、2.6GHzの定格動作だと従来モデルの5000+とほぼ同じであり、特筆すべき点はない。次に、CPU倍率を定格の13倍から14倍(2.8GHz)にしてみたところ、いともあっさり動作したので、さらに増やして15倍(3.0GHz)と15.5倍(3.1GHz)に設定して各種ベンチマークを計測してみることにする。
ベンチマークの結果はほぼ動作クロック比に沿って伸びており、3.0GHz動作時の結果を【最新パーツ性能チェック Vol.46】で検証した「Athlon 64 X2 6000+」(3.0GHz動作)と比較してみても大きな違いはない。製造プロセスが65nmということもあって、3.0GHzのオーバークロック動作時でも、消費電力は【最新パーツ性能チェックVol.49】で検証したTDP89W版「Athlon 64 X2 6000+」よりも低めで、高パフォーマンスを低消費電力でという人にも魅力的なCPUである。なお、どこまでオーバークロックができるかも試してみたが、15.5倍(3.1GHz)では各種ベンチをパスできたものの、16倍(3.2GHz)では動作が不安定になり強制終了や突然のシャットダウンが頻発した。このときのCPU温度は66℃(マザーボート付属のツールで計測)だったので、3.0GHzあたりから強力なCPUクーラーが必要になってくると予想される。
お手軽かつ柔軟なクロック設定
オーバークロック初心者にオススメ
AMDのCPUはまもなくPhenomが登場してくるはずであり、Athlon 64 X2シリーズも新たな高クロックモデルの登場はほぼ期待できない。そんな中、こうした既存モデルにちょっと手を加えてお買い得感を出すというのは、AMDらしい柔軟な戦略と言えるだろう。倍率フリーという方向性も自作ユーザーにとっては興味を引く内容であり、自作初心者でもお手軽にオーバークロックが行なえるはずだ。OEM向けの出荷価格が136ドル(約1万5640円)なのに加えCPUクーラーが付属しないため、既存の5000+と比較するとやや割高になりそうだが、1台組みたくなる魅力を持った面白いCPUと言えるだろう。
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