ホームシアターの世界で、この秋一番のトピックスは、HDMI 1.3a対応機器が本格的な普及期に入ったことである。映像/音声の大幅な高品質化がうたわれてきた次世代DVD。その真価が発揮できる環境がようやく整った。
特にAVアンプの分野では夏以降、次世代DVDのロスレス音声形式である「Dolby TrueHD」や「DTS HD」に対応した製品が続々と登場している。Blu-ray DiscやHD DVDの感動を演出するハイクオリティーなサウンドを再生できる環境が整い、市場にも活気が出てきた。
その影に隠れがちだが、AVアンプの多機能化も進んでいる。ネットワーク配信やリッピングで入手した楽曲をHDDに蓄え、パソコン上で楽しむ。その出力先としてのAVアンプという役割も急速に拡大しているのである。
この分野に早くから取り組んできたブランドが「DENON」(デノン)だ。2005年10月発表の「AVC-4320」で、パソコンと接続できるネットワーク機能を初めて搭載して以来、(株)デノン コンシューマー マーケティングは、Windows Media ConnectやDLNA、インターネットラジオといったネットワークを介した新しい音楽ソースに対応した製品の市場投入を積極的に進めてきている。
これまでこうした機能はホームシアターやネットワークオーディオに対する関心が高い、米国市場をメインターゲットにしたものであった。そのため、日本語表示などローカライズの面では十分と言えない部分もあった。
しかし、同社が6月に発表した新モデルでは、このあたりの改良が大きく進んだ。ホームシアターのハブとなる「AVセンター」として、ネットワーク上にあるさまざまなフォーマットに対応できる「ミュージックステーション」となった中核機種「AVC-3808」について(株)デノン コンシューマー マーケティングの担当者に聞いた。