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ヘッドホン? いえいえ、スピーカーなんです

【レビュー】新ジャンルなスピーカー、ソニー「PFR-V1」を聴く

2007年10月05日 17時06分更新

文● 高橋敦

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軽くて、装着感は良好


 さて、特殊な(というか、今までにない)タイプの製品なので、装着感がまず気になるところ。

 その第一印象は「軽い!」である。超ジェラルミンやアルミといった素材が各所に活用されているとのことだが、それ以上に全体的なバランスが優れているように思える。

 しばらく身に付けていると、内耳に接するアーム(エクステンデッドバスレフダクト)が当たっている部分が少し痛むようになってきた。しかしそこで改めて見てみると、どうやらスピーカーユニット部分も上下させて、アームと耳の当たり方を変えられると気づいた。このアームの調整を行なうと、先の痛みは気にならなくなり、快適度はさらに増したのである。これは、よく考えられている

耳を乗せる部分

この部分を耳の上に引っかけるというか乗せて、ヘッドバンドとアームと合わせて3点で装着し、加重・圧力を分散。引っかけとユニットの距離も微調整が可能で、アームと耳の当たり具合を変えられる

ヘッドバンド調節

一般的なヘッドバンドの調整機構はもちろん装備



当然、遮音性はないし、音は漏れる


 外観を見て気になるのは、遮音性や音漏れだろう。まず遮音性は、はっきり言ってない!

 いや何か説明する必要があるだろうか。この構造に遮音性など期待のしようもない。屋外で使おうなどとは、はなから考えないことだ。逆に屋内では、「電話や来客に気が付きやすい」というメリットがあるととらえた方がいいだろう。

 ただ付け加えておけば、「ニアフィールドリスニングでは周囲の騒音が気になりにくい」というのと同じように、音楽再生中には周囲の騒音はあまり気にならなかった

 さて音漏れだが、音漏れと言えるものはまったくない!

 それはもちろん「自分以外には再生音が聞こえない」ということではない。そもそも音を閉じ込めていないのだから、「漏れる」という表現は使えないということだ。「スピーカーが音漏れする」なんてことは言えないように、この製品も音漏れはしない。そういうことを期待するべき製品ではないのだ。

 言葉遊びはさておき、実際には、ヘヴィメタルをちょっと大きめの音量(iPod nano 1Gの音量75%程度)で再生した状態でデスクの上に置いて席を外すと、3、4m離れても曲の輪郭を聴き取れる。あえて「漏れ」という言葉で表現するならば、「だだ漏れ」である。屋外での利用はくれぐれもおすすめできない。


 (次ページに続く)

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