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ついにBarcelona登場!

AMD、初のクアッドコアCPU“クアッドコア AMD Opteronプロセッサー”を発表

2007年09月10日 13時01分更新

文● 編集部 小西利明

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米AMD社は10日、コード名“Barcelona”(バルセロナ)で呼ばれていたサーバー向けクアッドコアCPU“クアッドコア AMD Opteronプロセッサー”(以下クアッドコアOpteron)を発表した。

“クアッドコア AMD Opteronプロセッサー”のロゴマーク クアッドコアOpteronを2つ搭載したブレードサーバーのサンプル
“クアッドコア AMD Opteronプロセッサー”のロゴマーククアッドコアOpteronを2つ搭載したブレードサーバーのサンプル。中央の黒い板に隠れてCPUは見えない

クアッドコア Opteronは1つのCPUダイ上に、4つのCPUコアと共有型3次キャッシュメモリー、メモリーコントローラーを搭載したCPU。4コア化に加えて電力制御機構の改良により優れた消費電力当たり性能を誇るほか、既存のOpteronプラットフォームからのアップグレードが容易な点を特徴としている。

クアッドコアOpteronのブロックダイアグラム クアッドコアOpteronのブロックダイアグラム。2次キャッシュを備えた各コアに共有型3次キャッシュがつながる

各CPUコアは1次キャッシュ(コード32KB/データ32KB)と2次キャッシュ(512KB)を個別に備え、それに加えて各コアに共有される3次キャッシュ(2MB)を搭載する。従来のOpteronと同様に、メモリーコントローラー(DDR2-667まで対応)とOpteron同士やチップセットを結ぶHyperTransportリンクを最大3まで内蔵する。製造プロセスは同社初の65nmプロセスを採用。トランジスタ数は約4億6300万トランジスター。

クアッドコアOpteronのダイ写真 クアッドコアOpteronのダイ写真。各コアごとだけでなく、コア内の未使用ブロックを随時オフにすることで、消費電力を抑制する“CoolCore”技術を備える

クアッドコアOpteronも従来のOpteronと同様に、低消費電力を重視したHE”版(TDPは68W程度)、性能と消費電力をバランスしたスタンダード版(TDP 95W)、パフォーマンスを重視したSE”版(TDP 120W)がリリースされる。HEはクロック周波数1.9GHz以上、スタンダードは2.0GHz以上で、今年第4四半期早々に登場する。この両製品で市場の94%のニーズを占めるという。SE版は2.3GHz以上で、やや遅れて第4四半期中に供給を開始する。同社ウェブサイトに掲載されたラインナップ、および1000個受注時の1個あたりの価格は以下のとおり。

同社ウェブサイトにラインナップと価格が掲載されたため、加筆いたしました。(2007年9月10日)

クアッドコアOpteron 2xxx(2プロセッサーシステム向け)

Opteron 2350
クロック周波数:2GHz|価格:389ドル(約4万3957円)
Opteron 2347
クロック周波数:1.9GHz|価格:316ドル(約3万5708円)
Opteron 2347 HE
クロック周波数:1.9GHz|価格:377ドル(約4万2601円)
Opteron 2346 HE
クロック周波数:1.8GHz|価格:255ドル(約2万8815円)
Opteron 2344 HE
クロック周波数:1.7GHz|価格:209ドル(約2万3617円)

クアッドコアOpteron 8xxx(4プロセッサーシステム向け)

Opteron 8350
クロック周波数:2GHz|価格:1019ドル(約11万5147円)
Opteron 8347
クロック周波数:1.9GHz|価格:786ドル(約8万8818円)
Opteron 8347 HE
クロック周波数:1.9GHz|価格:873ドル(約9万8649円)
Opteron 8346 HE
クロック周波数:1.8GHz|価格:698ドル(約7万8874円)
クアッドコアOpteronの消費電力別セグメントとリリース時期 クアッドコアOpteronの消費電力別セグメントとリリース時期

クアッドコアOpteronではCPUの消費電力を抑制する電力制御機能として、従来からある“AMD PowerNow!”に加えて新しい電力制御機構“AMD CoolCore”を搭載している。PowerNow!では、各コアの負荷に応じてそれぞれに異なるクロック周波数を供給することで、消費電力を抑制する。

CoolCoreではさらに、CPU内の各ブロックの使用状況に応じて、未使用ブロックへの電力供給をオフにする機能を備える。各CPUコア内の電力制御も細分化されており、FPU(浮動小数点演算器)だけをオフにするといったことも可能となっている。メモリーコントローラーについても、“リード動作のみときはライト用ロジックを停止させる”といった細かい制御も可能という。これらの動作には特別なドライバーソフトやBIOS設定を必要としない点も特徴としている。

また、この機能に対応するマザーボードが必要となるが、“Dual Dynamic Power Management”と称する機能も備えている。CPUコアとメモリーコントローラーは異なる電力供給ブロックとなっていて、対応システムであれば、CPUコアとは別にメモリーコントローラーに対して電力供給を行なえる。これにより、メモリーコントローラーをより高い周波数で駆動させることで、メモリーアクセス性能を向上させることができる。

そのほかにも、FPU内部のバンド幅向上による演算性能強化、キャッシュの最適化なども行なわれている。同社ではこれらの改良により、既存のデュアルコアOpteronに対して、2ソケットのシステムで55%、4ソケットのシステムでは48%の性能向上を実現するほか、競合である米インテル社のクアッドコアXeonと比較してもより高速であるとしている。

クアッドコアOpteronのFPUの改良点 クアッドコアOpteronと、デュアルコアOpteronやクアッドコアXeonとの性能比較グラフ
クアッドコアOpteronのFPUの改良点クアッドコアOpteronと、デュアルコアOpteronやクアッドコアXeonとの性能比較グラフ

AMDではクアッドコアOpteronの利点として、既存のプラットフォームへの容易なアップグレードを挙げている。同社が“第2世代プラットフォーム”と呼ぶ、既存の1207ピンソケットの“Socket F”マザーボードでも利用可能で、BIOSを対応版にアップグレードすれば、マザーボードやヒートシンクをそのまま流用してクアッドコアOpteron搭載システムを構築できるとしている。さらに2008年登場予定の次世代45nmプロセスCPU“Shanghai”(シャンハイ)も同プラットフォーム対応を前提に開発されており、プラットフォームの変化は遅い方が投資が低く済むため、顧客にとっては利益になるとしている。

AMDのプラットフォームロードマップ AMDのCPUロードマップ
AMDのプラットフォームロードマップ。2006年の90nmデュアルコア、2007年の65nmクアッドコアに続いて、2008年の45nmクアッドコアまで、3世代のCPUが1世代のプラットフォームで利用できるAMDのCPUロードマップ。Opteronの“Barcelona”に続いて、2007年の終わりから2008年にかけて、“Budapest”がSocket AM2向けに登場する。そして2008年後半には45nmプロセスの“Shanghai”が投入される
2009年には新しいプラットフォームに合わせて、45nmプロセスの8コアCPU“Sandtiger”が投入される 2009年には新しいプラットフォームに合わせて、45nmプロセスのオクタルコア(8コア)CPU“Sandtiger”が投入される。アーキテクチャーの変更、DDR3対応、HyperTransport 3.0や次世代PCI Express対応など、多くの革新が予定されている

新たな電力指標“ACP”を提言

AMDは今回のクアッドコアOpteronの発表に合わせて、CPUの電力消費指標として新たに“ACP”(Average CPU Power)の使用を提言している。CPUの電力消費指標としては、TDP(Thermal Design Power:熱設計時消費電力)を用いる例が多いが、TDPは本来、コンピューターの熱設計の際に使用する、最大に電力を消費した場合の数値である。

しかし、前述のようにさまざまな消費電力低減の仕組みを導入した現代のCPUは、TDPで示される電力を常時消費しているわけではない。平均の消費電力はより低く、データセンターの設計などでは、平均の数値の方が重要であるというのがAMDの主張である。そこで、より実際のシステム上の動作に近い消費電力指標としてACPを使おうというわけだ。

クアッドコアOpteronのTDPとACPの差 クアッドコアOpteronのTDPとACPの差。TDPに比べてACPは78~88%程度と低い

競合であるインテルが、AMDの主張にそのまま乗るというケースは考えにくい。しかし、TDPが実際の消費電力を反映していないというのは事実であるため、AMDによる提言には説得力がある。今後は競合側の対応や、ACPを客観性を持った汎用的な指標とするための標準化プロセスのゆくえなどが注目される。

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