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目の前で戦車が実弾発砲!

平成19年度富士総合火力演習を取材せよ!

2007年09月15日 20時15分更新

文● アスキー戦車部長Y

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●戦車火力

 いよいよ戦車の登場だ。最近、災害派遣等で陸自の迷彩塗装された車両を一般道で見る機会も増えてきた。しかし当たり前だが戦車はなかなか見ることができない。まあ、正直市街地では戦車を見たくないが、とにもかくにも平和な日本では非日常の象徴みたいなものだ。特別取材班隊長遠藤も今までより身を乗り出して演習場を眺めている。

ピンホールカメラ

今までより身を乗り出して演習場を眺める遠藤隊長。え? まさかそのピンホールカメラで演習を撮影してるんスか?

 まず最初に演習場に進入してきたのは89式装甲戦闘車だ。歩兵を戦場へ輸送すると共に、必要に応じて対戦車戦闘を行う車輌だ。搭載している35mm機関砲による制圧射撃を行なう。
 そしてその後方からは90式戦車が登場だ。さすがに迫力は装甲車とは段違いだ。90式戦車は演習場に進入し、クローラー(キャタピラ)で大地を抉りながら目標に対して激しい一斉射撃を加える。その瞬間取材班を打つ衝撃波。タイミングによっては熱風が来ることもある。さすが120mm戦車砲だ。カメラを持つ手もぶれてしまう。演習初参加の遠藤隊長も撮影を諦め、ひたすら食い入る様に射撃を眺めている。

89式装甲戦闘車

89式装甲戦闘車

1989年に制式採用された歩兵戦闘車で、35mm機関砲と79式対舟艇対戦車誘導弾を搭載。乗員は3名、そして完全武装の兵員7名を戦闘中の前線に輸送可能だ。世界水準レベルの車輌だが、いかんせん高額なため、調達は停滞気味だ

90式戦車

90式戦車

日本の誇る最新鋭戦車。120mm戦車砲を搭載し、最新鋭の複合装甲を備えた世界水準の主力戦車だ

 90式戦車は、主に北海道に配備されており、本州以南では首都圏周辺の駐屯地にのみ配備されている。制式化から17年を経て全国の74式戦車との置き換えも進んでいないことから、90式戦車は“北海道専用戦車”とも言われるゆえんだ。置き換えが進んでいない理由として調達価格が8億円と高いこともあるが、それ以上に重量問題があると言われている。90式戦車の本体重量は諸外国の戦車より軽量な50トンだが、日本国内では道路の重量制限によってそれでも分解しなければ輸送出来ない。ちなみに2008年以降制式化予定の次期主力戦車(TK-X)では重量40トンと大幅に軽量化されると言われており、TK-Xによって本州以南の74式戦車の置き換えが進む、と言われている。

●空挺降下

 前段演習の最後は、空挺降下だ。この空挺降下とは、簡単に言えばパラシュート部隊による降下と攻撃のことだ。筆者のようなマニアにとって、空挺降下と言えば第二次世界大戦中の旧軍のパレンバン精油所攻撃や、連合軍によるマーケットガーデン作戦(映画「遠すぎた橋」が有名ですな)などが思い起こされるが、最近の空挺降下は戦線後方に小部隊を降下させ、破壊工作を行なう、という用途が主なのだそうだ。高度1000mからゆったりと、しかし正確に演習場観客席前に彼らは降下してくる。

はるか上空からパラシュート降下してくる隊員

(次ページへ続く)

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