●中距離支援火力
次に会場に現れたの中距離支援火力だ。73式小型トラックなどに分乗した隊員が演習場に展開し、手際よく火砲を設置。そして、敵兵に見立てた標的の風船を次々と破壊していく。ちなみに迫撃砲とは、曲射弾道で敵の頭上から攻撃する武器で、見通しの良くない山岳戦や市街戦で用いられることが多い。
81mm迫撃砲L16、120mm迫撃砲 RT
次は誘導弾の展示だ。会場に73式小型トラックや高機動車が進入し、演習場全面に停止すると隊員が飛び出して各誘導弾発射システムを展開する。ちなみにこれら誘導弾は、総火演実施時に観客席前では発射しない。バックブラスト(後方爆風)が激しく危険なのだそうだ。そのため、誘導弾の実弾射撃は演習場前方の草原内部の発射陣地から行われるため、残念ながら観客先からは直接見ることが出来ない。
64式対戦車誘導弾
79式対舟艇対戦車誘導弾
87式対戦車誘導弾 (通称“中MAT”)
96式多目的誘導弾システム
●対人障害
これが自衛隊が配備を進めている指向性散弾だ。
指向性散弾
●ヘリ火力
近距離火力の花形と言えば戦闘ヘリコプターだ。日本には現在2種類の戦闘ヘリが配備されている。まず、1986年から配備された対戦車ヘリコプター AH-1S「コブラ」、そして昨年より配備が進んでいる戦闘ヘリコプター AH-64D「アパッチ」だ。ここでは「コブラ」が登場し、20mm機関砲による射撃を展示している。
会場両サイドから進入してきた「コブラ」だが、演習場で丘を縫って飛行している時にも驚くほどにエンジン音やローターの風切り音が聞こえない。大げさだがまったくの無音のようにも思えてしまう。敵部隊移動中に「コブラ」が伏兵として待ち受け、相手の意表をついて攻撃する、というような戦い方も可能なのだ。
対戦車ヘリコプター AH-1S「コブラ」
(次ページへ続く)