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EOS 40DとKiss Digitalで年間シェア43%以上のNo.1へ

「競馬で言えば最後にまくる!」――キヤノン、『EOS 40D』発表会レポート

2007年08月20日 20時28分更新

文● 編集部 佐久間康仁

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既報のようにキヤノン(株)とキヤノンマーケティングジャパン(株)は20日、ハイアマチュア向けデジタル一眼レフカメラ『EOS 40D』と、スタジオ・プロカメラマン向けの『EOS-1Ds Mark III』(関連記事1)、およびコンパクトデジタルカメラ7機種(関連記事2)を、東京・品川の同社ビルで発表した。

EOS-1Ds Mark III

キヤノンのハイエンドデジタル一眼レフカメラ『EOS-1Ds Mark III』

同時に、同社のデジタル一眼レフカメラ“EOS DIGITAL”シリーズ向け“EF-Sレンズ”の新モデル3製品も発表した。そのうちズームレンズ2製品は光学式手ぶれ補正機能(レンズシフト方式)を備えている。

EF-S18-55mm F3.5-5.6 ISなどレンズ2本

同時発表されたレンズ群。こちらはIS(光学式手ぶれ補正機能)搭載の2本

EF14mm F2.8L II USM

超広角単焦点レンズ『EF14mm F2.8L II USM』

今回発表されたデジタル一眼レフカメラとレンズの特徴と予想実売価格(レンズは希望小売価格)、発売時期は以下の通り。なお、コンパクトデジタルカメラについては既報のニュース記事を参照されたい。

EOS 40D
 デジタル一眼レフカメラ入門者とプロユースの間をつなぐ、ステップアップユーザー向け多機能モデル。秒6.5コマで最高連続75枚の高速連写を実現
ボディ単体:15万円前後/今月31日発売予定
EOS 40D・EF-S18-55 ISレンズキット:17万円前後/9月下旬発売予定
同・EF-S17-85 IS Uレンズキット:20万円前後/8月31日発売予定
EOS-1Ds Mark III
スタジオ撮影プロ向けの約2110万画素・35mmフルサイズCMOSセンサー搭載ハイエンドモデル。デュアルDIGIC IIIによる高速書き込みや起動時間0.2秒、レリーズタイムラグ55msなどの高速レスポンスを実現
ボディ単体:実売価格未定(ただしEOS-1Ds Mark IIと同程度を目指す)/11月下旬発売予定
EF-S18-55mm F3.5-5.6 IS
手ぶれ防止機能付き標準ズームレンズ
3万3000円(税別)
EF-S55-250mm F4-5.6 IS
手ぶれ防止機能付き望遠ズームレンズ
4万5000円(税別)
EF14mm F2.8L II USM
超音波モーター採用超広角単焦点レンズ
30万7000円(税別)


発表会には、キヤノンの取締役の真栄田雅也(まえだまさや)氏、キヤノンマーケティングジャパンの専務取締役の芦沢光二氏が出席し、製品開発の狙いや成長を続けるデジタル一眼レフカメラ市場の動向について説明した。

渡辺 謙氏

キヤノンの取締役に挟まれてEOS 40Dを構える、今やハリウッドスターのケン・ワタナベこと渡辺 謙氏

さらに、主力製品であるEOS 40Dについては、いわゆる“団塊世代”向けにアピールするためイメージキャラクター(同社では“コミュニケーションパートナー”と呼称)として、俳優の渡辺 謙氏を起用。渡辺氏を会場に招いて、一足先にイメージビデオの撮影などで使用した印象などを語るトークセッションが行なわれた。



デジタル一眼レフカメラ2機種に搭載された注目の新技術


EOS 40D

EOS 40D

EOS 40Dは、撮像素子に1010万画素でAPS-Cサイズ(22.2×14.8mm)のCMOSセンサーを新規開発して搭載している。これはマイクロレンズ形成工程を見直して集光効率を高めたほか、第2世代のオンチップノイズ除去回路を搭載することで、高画質化と低ノイズを実現したという。毎秒6.5コマの高速連写については、メインミラー/サブミラーにそれぞれ個別の駆動用モーターを配置したほか、ミラーバウンドを吸収するための機構を組み込むことで高速連写が可能になったと説明した。

EOS 40Dの上部

EOS 40Dの上部操作系

EOS 40Dの背面

背面。これはライブビュー機能を使ったところ

ハイエンドモデルのEOS-1Ds Mark IIIは、プロカメラマンが要求する高画質化/高速応答/快適性を追求するため、さまざまな改良を施したという。具体的には、2110万画素の35mmフルサイズ(36×24mm)CMOSセンサーを新開発し、マイクロレンズの開口部拡大とレンズから撮像面までの距離を短縮することで、高画素化と広いISO感度、低ノイズの両立を実現した。そのほか高速応答としては、毎秒約5コマで連続約56枚の連写機能、快適性では背面の3インチ液晶ディスプレーを活用した“ライブビュー機能”を搭載するなどの特徴を紹介した。

EOS 40Dの2モーター機構

EOS 40Dの高速連写を実現した2モーター機構

EOS-1Ds Mark IIIの撮像素子

EOS-1Ds Mark IIIの高画素化&低ノイズを実現するという撮像素子の改良

ISレンズの光学式手ぶれ補正機構

ISレンズ2本が搭載する光学式手ぶれ補正のレンズシフト機構



2010年には国内130万台の市場規模に成長し
一眼レフカメラ市場最大へ!?


芦澤氏は、デジタル一眼レフカメラの国内市場規模について、「(銀塩カメラ時代を含む)過去の一眼レフカメラ出荷数の最高記録は1980年の128万台だった。これが20年以上超えられなかった。しかし、現在の市場規模は90万台規模で、来年には100万台を超え、3年後の2010年には130万台規模にまで成長する」と強い期待感を示した(数値はいずれもキヤノンマーケティングジャパン調べ)。特に今年(2007年)に定年を迎えたと言われる“団塊の世代”が市場拡大を牽引するという認識を示し、それに対応するべく同社が開催しているカメラ教室の拡充や新カリキュラムの導入など、カメラ販売以外の施策も含めて総合的に市場の拡大を目指すとまとめた。

国内デジタル一眼レフカメラの市場規模

キヤノンマーケティングジャパン調べの、国内デジタル一眼レフカメラの市場規模

EOS DIGITALシリーズ全体での目標シェア

EOS DIGITALシリーズ全体での目標シェア

これに関連してQ&Aセッションで一部調査機関の数字では今年前半のデジタル一眼レフカメラのシェアは(株)ニコンがトップで、キヤノンが後塵を拝していることを指摘されると、「今年の前半はニコンの勢いが勝っているが、競馬で言えば後半の追い込み、まくりに期待している。エントリー分野で絶好調の“EOS Kiss Digital”と今回のEOS 40Dの発売で、今年後半(9~12月)はシェア50%以上を目指す。これにより年間シェアを43%以上にしてNo.1を取れるだろう」「ニコンさんとの健全な競争があってこそ、100万台規模の市場拡大が実現できる」と、強気な見通しを示した。

ゲストで登場した渡辺 謙氏については、EOS 40Dの前から個人的なEOSユーザーで、「スタッフから話があったときに5秒で決めた。キヤノンとしてのEOSの世界、男の悲哀を表現できる人だ」(芦澤氏)と絶賛。また、同時発表のコンパクトカメラのうち『IXY DIGITAL 910 IS』は俳優のオダギリジョーさんが、『PowerShot A720 IS』については、山田 優さん、蒼井 優さん、夏帆ちゃんの3人娘がそれぞれ新CMを今月30日から展開していき、総力的なメディア広告を展開することも披露した。


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