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日本語入力ソフト

レビュー:ATOK 2007 for Mac Premium

2007年08月15日 13時00分更新

文● 木下幹司

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最新の変換エンジン搭載で効率的な入力が可能に!


ATOK2007 【SPEC】
開発/販売元●(株)ジャストシステム 価格●1万2800円 備考●「乗換案内 駅名変換辞書」以外の辞書が付属しない通常版(価格9800円)、通常版をセットにしたMac+Windows版(価格1万2800円)もある
http://www.justsystem.co.jp/

対応システム●OS X 10.3.9以上 対応機種●Power PC G3以上、インテルCPUを搭載したMac

【COMMENT】
細かな機能の強化や辞書データの追加だけでなく、変換効率を大幅に向上させた。久々に体感できる「進化」を遂げたアップデートだと言える。


 日本語入力プログラム「ATOK 2007」は、次期OSのLeopardへの対応も予定されているATOKシリーズの最新版だ。

ATOK2007

「ATOK 2007」の主要インターフェース。(1)カレンダーから任意の日付を選ぶと、日付と曜日、時間を入力できる、(2)マウスで文字を書けば、読み方のわからない文字を検索でき、画数や部首名も調べられる、(3)校正支援機能や連想変換の設定などが行える環境設定、(4)環境設定や各ツールを呼び出せ、設定の変更もできる入力パレット

 まず、新しい変換エンジン「ATOKハイブリットコア」を搭載したことに注目したい。未確定文字を正しく変換するだけでなく、短い文章の変換時でも確定済みの前後の文脈を解析して、より最適な文字変換を行うようになった。文節が思うように区切られないなど、今までストレスを感じていた誤変換が最新の変換エンジンによって解消される。

 きちんとした文章を作成するのにありがたい「校正支援」機能は、これまでの「ら抜き言葉」「二重敬語」に加えて、くだけた表現/よく似た同音語を指摘する機能が追加された。

ビジネス文書にふさわしくない表現や、同音語をツールチップで提示して注意を喚起する機能。「shift」+「return」キーを押せば言葉の意味が表示される

取引先など、かしこまった相手に宛てた文章を作成する際などに重宝するだろう。さらに、「校正支援モード」の強度を、指摘しない/指摘する/指摘する(強)の3段階に分類し、環境設定を立ち上げることなくパレットから切り替えられる。

 また、前後の文節から意味を判断して変換候補を表示する「最適候補提示」機能を搭載した。従来、候補一覧には使用頻度の高い人名や名詞などが混在していた。新機能では、直前の文字が人名である場合、次の変換文字も人名が優先的に表示される。

名字だと思われる言葉の次の候補一覧は、名前が優先的に表示される(右)。名前以外の文字の場合は文節に応じた言葉が優先される(左)

これにより、目的の文字に素早くたどり着けるようになり、なかなか変換できないという苛立ちがなくなる。

 ATOKの利点のひとつである辞書の多さにも注目だ。(株)東洋経済新報社の「会社四季報 企業名変換辞書」やジョルダン(株)の「乗換案内 駅名変換辞書」、(株)アスキーの「マック用語辞典」を収録している。最初の数文字を入力するだけで、Macの製品名称や型番などを参照できる。

ATOK2007

「あいまっく」と入力すれば、iMacの機種情報が表示される。資料を調べなくても機種の正式名称などがわかる。意味がわからない用語を調べるのにも便利だ

 新変換エンジンの搭載や校正支援の強化により、長文変換だけでなく細切れ変換の精度も向上した。辞書の種類も増えたことで付加価値も高まったアップデートだと言えるだろう。


(次ページに続く)

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