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死の赤リングが我が家にも訪れた

【フォトレポート】Xbox 360が静止した日

2007年08月15日 10時00分更新

文● 編集部 飯塚岳史

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2週間経って帰ってきた我が360


サポートに連絡した時点では、「1週間から10日ほどで修理が完了します」とのことだったが、どうも先日の発表以来、修理工場も混んでいるようで、予定よりもややオーバーした2週間(14日)ほどで、我が360は修理の旅から帰還した。

修理された360は、外観はまったく変わらず、生まれたままの姿で帰ってきた。しかし内部はパワーアップされているはず! ということで何の根拠もなかったが分解してみることにした。ちなみに分解作業を行なってしまうと、保証はまったく効かなくなってしまう。もしかしたら修理も受け付けてくれないかもしれないので、みだりに分解するのはやめておこう。

というわけで分解手順などは説明しないが、ただ一言「できれば二度と分解したくない」とだけは言っておこう。筐体の外側にネジなどが使われておらず、すべてハメコミ式になっているため、こっちを外したらあっちがパチンとはまる、ちょっと力を抜いたらさっき外したところが3つくらい、いっぺんにパパパチンッとはまってしまったとか、それはもう精神的に衰弱してしまった。

また、ガワが外れても油断してはいけない。中のネジはトルクスネジ(穴が六角形のネジ)が使われており、トルクスドライバーがない場合は、ここから先には進めなくなってしまう。ちなみに利用したトルクスドライバーは“T-8”。このサイズは無線コントローラーをバラすときにも使うため、持っておくと何かと便利だ(今回、コントローラーはバラさないが)。

トルクス

“T-8”サイズのトルクスドライバー


あえて言おう360改であると!


小1時間ほどガワと格闘して、ようやく360のマザーボードにアクセスすることに成功した。と、次の瞬間、そこにはヒートパイプを介してヒートシンクが新たに取り付けられたGPUの姿が! これには感動もひとしお。やはりヒートシンクが追加されたXbox 360は存在したのだ!

ヒートシンク1

追加されたGPU用のヒートシンクとヒートパイプ

ヒートシンク2

未修理状態のXbox 360。違いは明らかである

せっかくなのでこの追加されたヒートシンクの性能も確かめるべく、温度を測ってみることにした。利用した計測器は、(株)カスタム製の放射温度計『CT-2000』。放射される赤外線の強度を測定して、温度が高速に測れるスグレモノだ。

温度計

放射温度計『CT-2000』。実売価格は8000円前後

計測

そばで真面目に仕事していた編集部の永水の温度を測ってみた。手の甲の温度は32度らしい。絶対に人の目に向けてはいけないぞ

本来ならば本体を閉めた状態で、中にサーマルセンサーを設置し、内部でのGPU温度を測りたかったところだが、何度も本体を開け閉めする気力がなかったのと、この実験で360が壊れてしまったら、我が家の大蔵大臣からフラッシュピストンマッハパンチ(FPMP)が飛んできてしまうので断念した。

なにはともあれ、GPUのヒートシンクおよびヒートパイプに温度計の赤外線を当て、測ってみた結果が以下の表だ。

Xbox 360改とXbox 360の温度比較表

GPUヒートシンク 追加ヒートシンク 追加ヒートパイプ
Xbox 360改(修理後) 43~47度 45~46度 44~46度
Xbox 360(修理前) 48~50度

計測環境:どちらもクーラーの効いた室温26度程度の状態で計測。基板むき出しの状態でHDDユニットとDVD-ROMドライブをセットし、『Forza Motorsport 2』で耐久レースをS.Ito選手に任せた状態で計測した。

ガワを開けた状態で計測したため、実際の利用時にはもっと高温になるものと思われるが、それでも3~5度程度の温度低下が見てとれた。


実は分解しなくてもわかるヒートシンクの有無


今回、温度を測りたいがために修理から帰ってきたXbox 360を分解して、3年保証を失うという暴挙に出たが、実は分解しなくてもヒートシンクが追加されているかどうかは確認できる。この夏、新たにXbox 360を購入した人も、もしかしたらヒートシンクが追加されているかもしれないのでチェックしてみよう。

確認方法は、まず前面のフェイスプレートを外す。その後、底面のプレートを外すことで、かなり見にくいが無数に開けられた空気穴から、本体内部を見ることができる。真ん中からちょっと右よりにCPUのヒートシンクおよびヒートパイプが見えるが、そのCPUのヒートシンクの左に、もうひとつヒートシンクが見えていればGPUにもヒートシンクが追加されていることになる。

フェイスプレート

まずはフェイスプレートを外す。前面のUSB端子の部分に手をかけて、手前に引き抜こう。結構強くはまっているが力を入れすぎるとプレートが割れてしまうので注意(なお、これはASCII.jpオリジナルのフェイスプレートであり、市販されていません)

底面

次は底面のメッシュ状になったプレートを外す。プレートは6ヵ所の爪で固定されているので、そこに細いマイナスドライバーなどを入れて爪を外していこう。ここも無理に外そうとするとプレートが曲がってしまう

修理前

プレートが外れたら、後は覗き込むだけ。こちらは修理前の状態でヒートシンクが追加されていない。右に見える銀色の物体がヒートシンクで、銅色のものがヒートパイプだ

修理後

こちらが修理後の状態。左のコンデンサーの上にヒートパイプで接続されたヒートシンクが追加されているのがわかる

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