2週間経って帰ってきた我が360
サポートに連絡した時点では、「1週間から10日ほどで修理が完了します」とのことだったが、どうも先日の発表以来、修理工場も混んでいるようで、予定よりもややオーバーした2週間(14日)ほどで、我が360は修理の旅から帰還した。
修理された360は、外観はまったく変わらず、生まれたままの姿で帰ってきた。しかし内部はパワーアップされているはず! ということで何の根拠もなかったが分解してみることにした。ちなみに分解作業を行なってしまうと、保証はまったく効かなくなってしまう。もしかしたら修理も受け付けてくれないかもしれないので、みだりに分解するのはやめておこう。
というわけで分解手順などは説明しないが、ただ一言「できれば二度と分解したくない」とだけは言っておこう。筐体の外側にネジなどが使われておらず、すべてハメコミ式になっているため、こっちを外したらあっちがパチンとはまる、ちょっと力を抜いたらさっき外したところが3つくらい、いっぺんにパパパチンッとはまってしまったとか、それはもう精神的に衰弱してしまった。
また、ガワが外れても油断してはいけない。中のネジはトルクスネジ(穴が六角形のネジ)が使われており、トルクスドライバーがない場合は、ここから先には進めなくなってしまう。ちなみに利用したトルクスドライバーは“T-8”。このサイズは無線コントローラーをバラすときにも使うため、持っておくと何かと便利だ(今回、コントローラーはバラさないが)。
あえて言おう360改であると!
小1時間ほどガワと格闘して、ようやく360のマザーボードにアクセスすることに成功した。と、次の瞬間、そこにはヒートパイプを介してヒートシンクが新たに取り付けられたGPUの姿が! これには感動もひとしお。やはりヒートシンクが追加されたXbox 360は存在したのだ!
せっかくなのでこの追加されたヒートシンクの性能も確かめるべく、温度を測ってみることにした。利用した計測器は、(株)カスタム製の放射温度計『CT-2000』。放射される赤外線の強度を測定して、温度が高速に測れるスグレモノだ。
本来ならば本体を閉めた状態で、中にサーマルセンサーを設置し、内部でのGPU温度を測りたかったところだが、何度も本体を開け閉めする気力がなかったのと、この実験で360が壊れてしまったら、我が家の大蔵大臣からフラッシュピストンマッハパンチ(FPMP)が飛んできてしまうので断念した。
なにはともあれ、GPUのヒートシンクおよびヒートパイプに温度計の赤外線を当て、測ってみた結果が以下の表だ。
Xbox 360改とXbox 360の温度比較表
GPUヒートシンク | 追加ヒートシンク | 追加ヒートパイプ | |
---|---|---|---|
Xbox 360改(修理後) | 43~47度 | 45~46度 | 44~46度 |
Xbox 360(修理前) | 48~50度 | ― | ― |
計測環境:どちらもクーラーの効いた室温26度程度の状態で計測。基板むき出しの状態でHDDユニットとDVD-ROMドライブをセットし、『Forza Motorsport 2』で耐久レースをS.Ito選手に任せた状態で計測した。
ガワを開けた状態で計測したため、実際の利用時にはもっと高温になるものと思われるが、それでも3~5度程度の温度低下が見てとれた。
実は分解しなくてもわかるヒートシンクの有無
今回、温度を測りたいがために修理から帰ってきたXbox 360を分解して、3年保証を失うという暴挙に出たが、実は分解しなくてもヒートシンクが追加されているかどうかは確認できる。この夏、新たにXbox 360を購入した人も、もしかしたらヒートシンクが追加されているかもしれないのでチェックしてみよう。
確認方法は、まず前面のフェイスプレートを外す。その後、底面のプレートを外すことで、かなり見にくいが無数に開けられた空気穴から、本体内部を見ることができる。真ん中からちょっと右よりにCPUのヒートシンクおよびヒートパイプが見えるが、そのCPUのヒートシンクの左に、もうひとつヒートシンクが見えていればGPUにもヒートシンクが追加されていることになる。