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キャリア・ピックアップ 第9回

“ビジネススキル”で差をつけよう! エンジニアのための「マインドマップ」

2007年05月17日 00時00分更新

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川上悟郎さん スタッフサービス・ソリューション 営業本部 募集部一課 ゼネラルマネージャー補

川上悟郎さん
スタッフサービス・ソリューション
営業本部
募集部一課
ゼネラルマネージャー補

日進月歩のIT業界において、エンジニアは常に技術力の向上が求められる。そうした背景から、人材派遣業最大手スタッフサービスグループのITエンジニア派遣専門会社「スタッフサービス・ソリューション」では、登録エンジニア向けに講座やセミナーを無料で受けられるといったスキルアップのサポートを実施している。このたび業界初の試みとして、ITキャリアセミナー「初めてのマインドマップ体験コース」を開講したという。そこで、同社ゼネラルマネージャー補佐の川上悟郎さんに、エンジニアが「マインドマップ」を学ぶメリットを聞いた。

資格取得のための勉強時間がない…… そんなエンジニアをサポートする制度創設

 IT業界は技術の革新がとても速く、そこで働く人は常に変化に対応することが求められます。スタッフサービス・ソリューションにも、エンジニアの方から時間を捻出してでも「新しいスキルを身につけたい」という要望が寄せられています。ところが、働きながら資格を取得しようとすると、決められた時間に授業を受けるのが難しいのも事実です。

 そうした要望を受け、スタッフサービスソリューションでは、2004年7月に登録したエンジニア向けの「スキルアップ支援制度」を導入しました。  このスキルアップ支援制度における講座の受講は、すべて登録エンジニアの就業時間に応じて生じるポイントとの交換制となっています。講座の中でも、特に人気が高いのがITキャリアセミナーです。1日約2時間の短期集中講座ですが、セキュリティ、ネットワーク、データベース、Webなどの各ジャンルの最先端で活躍する講師陣が直接指導するため、短時間で実務に直結したテクニックを学ぶことができます。そして、このITキャリアセミナーに今春から、トニー・ブザン氏が提唱する「マインドマップ」講座が加わりました。

「またか……」のビジネススキルに終わらない マインドマップの可能性とは

 マインドマップは、日本でも多くの関連書籍がすでに発売されていますから、その名前はご存知の方も多いのではないでしょうか。しかし、なぜこれがITエンジニアのスキルアップに必要なのか分かりづらいかもしれません。

 マインドマップとは、紙の中心部にテーマイメージを描き、そのテーマから連想する単語をカラーペンで放射状に書いていく思考法・ノート術です。なかなかイメージできない方が多いと思いますが、会議で意見を出し合う際の「ブレーンストーミング」を経験したことがあれば、理解できるはずです。マインドマップは、言うなれば1人で行なうブレーンストーミングです。頭に浮かぶ考えを次々に書き出して、後からマップ全体を見渡すと、新しい企画や発想が出てきます。どの職種・どの場面においても応用できますが、ITエンジニアの場合、特にプロジェクトマネージメントや最新技術のキャッチアップ、顧客からのヒアリングや問題解決、会議、戦略立案などでの活用が期待できます。

トニー・ブザン認定のマインドマップ研修インストラクター、ラーニングプロセス社長である 矢吹博和氏作成のマインドマップ
トニー・ブザン認定のマインドマップ研修インストラクター、ラーニングプロセス社長である 矢吹博和氏作成のマインドマップ

 フィンランドや韓国では、マインドマップを小学校など義務教育でも活用しています。2003年に行なわれたOECD(経済協力開発機構)の学習到達度調査で、「数学的リテラシー」部門および「読解力」部門で両国が1位から3位内であったことから、その効果に注目が集まりました。近年、多くの業界・業種でビジネススキルとして注目されています。マインドマップは一時のブームに終わらない可能性を持っているのです。

エンジニアの実務にこそマインドマップ!

 マインドマップは記憶力や創造力、問題把握力、集中力などの向上に役立ち、さらには限られた時間の中で情報を整理・集約するための手法と位置づけられます。そのようなことから、スタッフサービス・ソリューションはマインドマップの講座を、派遣会社として初めてITキャリアセミナーに取り入れました。3月31日に第1回目のセミナー「初めてのマインドマップ体験コース」(定員20人・700ポイントで受講)を開催。トニー・ブザン認定のマインドマップ研修インストラクターでラーニングプロセス社長の矢吹博和氏を講師に招き、ヘルプデスクやSEのアシスタント業務などに携わる方から、Web制作やWebシステム開発、ネットワーク・サーバ構築、パッケージソフトの開発など、さまざまな職種の方が受講しました。

 セミナー後、受講した方々にうかがったところ、「マインドマップを試験勉強の確認に使いたい」「自分の意見を会議前に整理するために活用したい」「仕事のプラン作りに役立てたい」などの意見が集まりました。

 エンジニアの仕事は、パソコンに向かうことがすべてではありません。総合的なビジネススキルもますます求められるようになっています。さまざまな場面でマインドマップの思考法・ノート術を活用し、実務に役立てていただきたいと思っています。今後は1カ月に一度のペースで、セミナーを開講していく予定です。

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