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アイログ、ビジネスルール管理システムの新版を発表

2007年07月30日 23時09分更新

文● アスキービジネス編集部

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アイログは、ビジネスルール管理システムの新版「ILOG JRules 6.5」日本語版を9月8日から販売する。7月27日に記者説明会を開き、発表した。


Webサービスの生成機能を追加、SOA環境でのサービス再利用性向上を目指す


アイログ、ビジネスルール管理システ ムの新版を発表

(左から)代表取締役の和多田 茂氏とプロダクトマネージャの小野木真理氏

 「ILOG JRules 6.5」は、企業内の複数のシステムで利用するビジネスルールを一元的に管理するソリューションである。ビジネスルールとは、業務上のルールをシステムに適用させる際の条件とアクションを具体的に記述したもの。たとえば保険会社の新規契約時に「事故回数が多い危険な運転者は、保険契約ができない」という業務ルールに対して、「運転者の事故回数が2より大きい場合に危険運転者として拒否する」というビジネスルールを設定してアプリケーション側の動作を統制する。

 こうした設定自体は本来、個々のアプリケーションレベルでも可能ではあるが、ビジネスルール管理システムを使うメリットは、複雑になりがちなビジネスルールを一元的に管理し、複数のアプリケーションに対して適用できる点にある。日本でもそのメリットから、NTTグループやソフトバンクテレコム、防衛省などに採用されている。

 ILOG JRulesは、ビジネスルールの開発/編集環境「Rule Studio」、テスト環境「Rule Scenario Manager」、管理ツール「Rule Team Server」、実行エンジン「Rule Execution Server」からなり、それぞれ、開発者、管理者、業務ユーザー向けとなっている。開発者向けのRules StudioでJavaのクラスやXMLのスキーマに対して日本語を割り当てて、業務ユーザーはRuleTeam Serverでビジネスルールを日本語で設定できるようになる。

開発者が「Rule Studio」(右)で用語を定義し、業務ユーザーは「Rule Team Server」(右)で日本語でビジネスルールを設定する

 新版の特徴は、「トランスペアレント・デシジョン・サービス(TDS)」と呼ばれるWebサービスを作成する機能をを備えたことだ。JRulesで設定したビジネスルールをWebサービス化することで、「一度実装されると中に何があるのか分からなかった」(プロダクトマネージャの小野木真理氏)というSOA(サービス指向アーキテクチャ)環境下におけるサービスの再利用性を高めることができるという。

 また、業務ユーザー向けのRule Team Serverには、「セマンティック・クエリ」と呼ばれる検索機能を実装した。これは、「ルールの中身の意味を見て判断する」(小野木氏)検索機能である。たとえば従来、「18歳以上の契約者」に対して適用されるビジネスルールを検索した場合、条件文に「18歳以上」と明示されているものしか検索結果に表示されなかった。セマンティック・クエリでは、「20歳」「全体」といった内容も確実に検索結果に反映させることができる。

 製品の最小構成価格(ライセンスのみ)は、873万円から。アイログでは、今回の新製品を「国内では通信業界と生命損害保険をまずはターゲットに」(同社代表取締役ゼネラルマネージャーの和多田 茂氏)売り込む構えで、その後、銀行や証券、ノンバンク、製造業などに対してターゲットを拡大していく。パートナー向けのトレーニングプログラムなどを充実させ、初年度10プロジェクトの成約を目指すという。

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