このページの本文へ

NECと日立、デスクトップパソコン向け新水冷システムを発表

2007年07月30日 15時44分更新

文● 編集部 若林健太

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

日本電気(株)、NECパーソナルプロダクツ(株)、(株)日立製作所は30日、デスクトップパソコン向けの新水冷システムを発表した。新水冷システムは、日立の新CPU水冷ジャケットを採用するとともに、世界で初めて(日立調べ、自作パソコン市場を除く)HDD水冷ジャケットを搭載。2005年9月発表の水冷システム搭載パソコン『VALUESTAR X』(関連記事)に比べて、最大稼動時の騒音レベルを30dB程度から25dB程度に低減したという。これは、新水冷システム搭載パソコン3台と従来のVALUESTAR Xがほぼ同じ騒音レベルになる数値とのこと。なお、この水冷システムはNECの次期個人向けデスクトップパソコンに採用が予定されている。

新開発のデスクトップパソコン向け水冷システム

新開発のデスクトップパソコン向け水冷システム

今回発表された水冷システムでは、CPU水冷ジャケット内の熱交換フィンの“マイクロチャネル”(冷却水の流路となる溝)の幅を従来の0.15mmから0.09mmに縮小し、冷却水とCPUが接する面積を広げることでCPUの熱を冷却水に伝える受熱効率を向上。また、フィンの上部から冷却水を流し込むことで重力による加速を得る“ダウンフロー方式”を採用し、従来の冷却水を横から流し込む方式に比べて、冷却水が流路を流れる際の抵抗を低減。さらに、CPU内部のダイサイズまで考慮した流路設計も行なわれている。これらの技術により、従来の日立製CPU水冷ジャケットに比べて受熱効率を2倍以上に向上させたという。そしてこのCPU水冷ジャケットなどの採用によりシステム全体の冷却効率が上昇したことで、HDD水冷ジャケットの搭載も可能になった。HDD水冷ジャケットの搭載により、HDD全体を高性能な吸音材/防震材で包み込めるようになり、HDD稼動音を10dB以上低減させたという。

熱交換フィン 水冷ジャケットにおいて、CPUと接する部品のこと。無数の溝(マイクロチャネル)が刻まれており、CPUの熱はその溝を流れる冷却液によって排出される。

同社では、この冷却システムを搭載することで、“DVDレコーダー以上の静音性を実現するAVパソコンの開発が可能”になったとしており、“コンテンツ鑑賞時に繊細な音まで聞き取りやすい”、“深夜のパソコン利用時や就寝時のテレビ番組録画時に稼動音が気にならない”、などをメリットとして挙げている。

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン