(株)エヌ・ティ・ティ・ドコモは12日、使いやすさを重視したシンプルケータイ“らくらくホン”シリーズの最新モデル『らくらくホンIV』(富士通(株)製)を8月に発売すると発表した。らくらくホンシリーズでは初めてGPS機能を搭載するのが特徴。
『らくらくホンIV』。左から“シルバー”“ピンク”“ネイビー”
らくらくホンシリーズは、1999年10月に発売された『P601es』を初代として、今回のモデルで10機種目。今年4月には累計販売台数が1000万台を突破している(関連記事)。らくらくホンIVは、130万画素カメラを搭載した『らくらくホンIII』の後継機種に当たり、カメラやテレビ電話などの基本機能はそのままに、さらに機能を進化させている。
前モデルから1.9mm薄くなったボディーや2.6インチの大画面液晶パネルを搭載
周りの騒音レベルを感知して、相手の声を大きくする“スーパーはっきりボイス”や、自分の声が小さい場合に、音量レベルを増量させる“はっきりマイク”を搭載
新たにGPS機能を内蔵し、音声入力にも対応した“地図ナビソフト”および“らくらく乗換案内”を搭載。「今いる場所から○○駅まで」と声で入力するだけで、現在地から該当する駅までの道のりをガイドしてくれる。そのほか、従来から搭載している“ワンタッチブザー”が、キッズケータイで採用されている“イマドコサーチ”に対応。ワンタッチブザーを鳴らすと、自動的にあらかじめ登録しておいた相手に位置を通知すると共に、最大3件までの登録した電話番号へ自動で発信できる。
また、GPSによる現在地情報を利用して、通話中の相手に自分の居場所を伝えるメールを送信できる。通話相手に音声読み上げによる位置の通知も可能。
GPSによるナビゲーション機能を搭載した。利用料は無料だが、パケット通信料がかかる
緊急時に現在地を知らせてくれる“イマドコサーチ”機能を搭載
そのほか、新たに搭載した機能としては、通話の最後1分を自動で録音する“おまかせ通話音声メモ”、カメラ撮影時の手ブレ、明るさ、歪みを補正してくれる“おまかせ対応カメラ”、67種類のサンプルからデコメールが作成できる“かんたんデコメール作成”、“脂肪燃焼量表示機能付き歩数計”、脳力トレーニングゲームのプレインストールなどがある。
さらに知的障害のある人やボタンが押せないような不自由がある人にも、外部機器によって携帯電話機の操作ができるようになった。具体的には、グリッドマーク(株)から発売される“モバイルGスキャナー”と専用の冊子を利用して、冊子に書かれた絵をスキャナーでなぞることで、“メール作成・送信”や“電話発信”、“読み上げ機能による会話の補助”などが行なえる。
専用冊子を利用して携帯電話機の利用ができる
本体スペックは、サブディスプレーに約1.2インチ(64×64ドット)STN液晶パネルを採用。メインカメラに有効約130万画素CMOSセンサーを、サブカメラに有効約32万画素CMOSセンサーを搭載する。外部メモリーはmicroSDカードに対応。連続待受時間は、歩数計をONにした状態で約350時間(静止時)、歩数計をOFFにした状態で約510時間(静止時)。連続通話時間は、約140分。本体サイズは、幅約50×奥行き17.6×高さ104mm。重量は約113g。カラーバリエーションは、“シルバー”“ピンク”“ネイビー”の3タイプを用意する。
らくらくホンIVの発表に合わせて、製品説明会が開催され、NTTドコモ 執行役員 プロダクト＆サービス本部 プロダクト部長の永田清人氏が出席し、製品の概要について説明した。
執行役員 プロダクト＆サービス本部 プロダクト部長の永田清人氏
永田氏は、“FOMA 90X”シリーズで数多く搭載されてきているGPS機能をらくらくホンにも搭載したことについて、「便利な機能でも使い方が難しくては、らくらくホンに搭載する意味がないので、使い勝手については苦労した。GPS機能はiアプリ上で動いているが、アプリとして意識させるのではなくて、基本機能として動いているように見せるのが使いやすくさせること」と語った。
また、おサイフケータイ機能の搭載については「要望は多い」としながらも、「今回はまずGPSを使い物になるようにしたかった。おサイフケータイについてはもう少し、もう一段階使いやすくしてから搭載したい」と語った。
なお、らくらくホンIVは、今月18日より東京ビッグサイトで開催されるワイヤレス＆モバイル機器の展示会“ワイヤレスジャパン 2007”で展示される予定。
