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ノートの天板が立体的なキャンバスになった!

【動画レビュー】3Dデザイン搭載『LaVie G タイプL (s)』

2007年07月12日 15時33分更新

文● 編集部

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日本電気(株)の直販サイト“NEC Direct”が11日から、直販限定で販売を開始した3Dデザイン採用の『LaVie G タイプL ベーシック(s)』。金属を含んだ磁性体塗料を使用した新しい塗装方法により、エンボス風の幾何学模様を天板と、キーボード面の一部にあしらっている。スペックなどの詳細は、既報のとおりだ(関連記事)。ここでは動画とメーカーインタビューを中心にレポートする。

トパーズ

3Dデザインを採用した『LaVie G タイプL ベーシック(s)』。写真の色はトパーズ



磁石で作った幾何学模様


従来こういった立体的なグラデーションを付けるためには、エアブラシなどで吹きつけの濃淡を付けるのが一般的だった。今回の製品はこれとはまったく異なる手法が取られている。具体的には、銅、ニッケル、コバルトなどの磁性体からなるフィラー(細かな粉末)を塗料に混合。これを均一に塗ったあと、生乾きの状態で裏側から磁石の型を近づける。この型の形状に沿った形でフィラーの角度が変わり、平らな表面でも立体的で奥行きのある模様を作ることができるのだという。

紙の上に砂鉄を置き、紙の下から磁石を近づけると、磁石を中心にしたグラデーションができるが、これと似たようなものと考えると分かりやすいかもしれない。

参考映像 動画で見る“3Dデザイン”


動画では、3Dデザインを採用したLaVie 3製品のデザインと製品化に先立って試作された天板を紹介している。3Dデザインによる平面でありながら、立体と思わせる奥行き感や優れたデザインなどをお楽しみいただきたい。

この技術は、日本ビー・ケミカル(株)と(株)イノアックコーポレーションが共同で開発したもので、ノートパソコンに採用されるのは、今回がおそらく初めてだという。従来は磁性体塗料の特性により、傷や剥離の問題、梱包材への転写硬度確保の難しさなどの問題点があったが、こういった技術的課題が確保できたため、製品化を行なったそうだ。

塗装は厚さ15~20μmのプライマー層(下地)、7~13μmの磁性体塗料の層、30μm程度のクリアー層(表面仕上げ)の3層構造で、一般的な塗装と比べても塗装面は比較的薄く仕上げられるという。



シックで高級感のあるノートを提供したい


NECの担当の方々

NECパーソナルソリューション事業部の田中裕章氏(左)と、保 亜悠美(たもつ あゆみ)氏(右)

今回発表された製品では、“サファイア”“ガーネット”“トパーズ”の3色の塗装のうえに、斜め格子柄の比較的オーソドックスなデザインが採用されている。これはLaVie G タイプLの既存モデルが若年層向けの明るいトーンを意識したのに対し、「世代的にはアッパーミドル、性別では男性を狙った」ためだと、NECパーソナルソリューション事業部の田中氏は言う。

試作段階では、波状の模様や、丸いくぼみが付けられたパターンなどいろいろなデザインが試されたが、今回は初めての試みということもあり、比較的シックでオーソドックスなデザインを採用した。塗装工程の性質上、複雑なものよりもシンプルで、アート調のデザインのほうが実現しやすいとのことだ。

ノートパソコンの世界では、最近デザインに対する関心と要求が今まで以上に高くなっている背景がある。日本ヒューレット・パッカード(株)が販売している、“ZEN Design”(ゼンデザイン)の製品群といった例も登場している。高品位で、センスのいいデザインが重視されるのは当然として、それが低価格で提供されるのが当たり前になりつつある。今回発表された製品も最小構成で10万5210円から(26日まではクーポン併用で8万6613円から)と、非常に安価な製品となっている。

こういったことが可能になる背景には、もちろん技術改善がある。今回のLaVie G タイプLは“技術革新”という観点で見ても、興味深い製品と言えるのではないだろうか。

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