第3のブラウザー“ピクセル・ブラウザー”とは
まず、ほかのブラウザーとの関係を簡単にまとめておこう。基本的な機能は通常のフルブラウザーとほぼ同じだが、ピクセル・ブラウザーは
- タブ表示や画像のダウンロードには未対応
- ウェブ表示画面からメール作成画面にジャンプできない
といった点が主に異なる。また、
- ブラウザー間の切り替えが可能なのはiモードブラウザーからフルブラウザーへのみ(iモードブラウザー→ピクセル・ブラウザーは不可)
- ピクセル・ブラウザーとフルブラウザー間でのみブックマークを共有できる
となっており、これだけ見るとやや機能不足では? という印象を否定できない。
また、“ピクセル・ブラウザー”というメニュー項目はなく、ピクセル・ブラウザーを使うには“iキー→フルブラウザ→ビューアタイプ”とたどることで起動できる。そのほか、ブラウザー起動用のショートカットを待受画面に貼り付けて、すばやく起動させることもできる。
快適なウェブ閲覧を実現するズーム機能
しかしそれらの機能を補って余りあるのが快適なズーム機能だ。基本的な操作は画面下部の“ツールバー”でも可能だが、ピクセル・ブラウザーを使いこなす最大のポイントはショートカットキーを活用する点にある。
特に、“1”キーあるいは“3”キーの長押しでスピーディーに縮小と拡大ができることを知っておくとグンと使いやすくなる。ミクロとマクロの視点を瞬時に行き来できるので、使っていてストレスが溜まらない。
ウェブ閲覧時に、“ニューロポインター”を軽く動かすと画面上にカーソルが現れる。ツールバーの“ビューモード”アイコンをクリックして“オリジナルレイアウト”を選択し、最後までズームアウトした状態(ツールバーの“-”アイコンの一番左に、現在のズーム度を示す赤い縦線がある)になっているとページ全体を表示できる。“CLR”キーを押してカーソルをいったん非表示にしてから“3”キーを押すと一気に拡大できる。逆に一気に縮小したいときは“1”キーを長押しする。
ちなみに、スクロールモードを切り替えるときは、“機能”メニューから行なうよりも、“発信キー”の短押しで切り替えた方がはるかにラクだ。操作ガイドやヘルプなどにも書かれていないウラ技(?)なので覚えておくといいかもしれない。
オートコンプリートでURLをサクサク入力できる
もうひとつ、“らくらくURL入力”という機能が意外と扱いやすかった。
これは、ポップアップ式のソフトキーボードをカーソルキーで操作してURLを入力しようというもの。というと、普通にダイヤルキーで入力した方がラクなんじゃないの? と思われるかもしれないが、そうでもない。
履歴からのオートコンプリートやキーを押すだけの定型語挿入など入力支援機能がそろっていて、これがなかなか使えるのだ。
オートコンプリートがあるおかげで、先頭の数文字を入力すれば履歴の中から該当のページにたどりつくことができる。ただ、せっかくこんなに便利な機能があるのだから、ブックマークだけでなく履歴もフルブラウザーと共有できるようになっていればよかったのになァ。
あえて難を言うなら、横画面表示のときのメニューの向きが気になる。現状では縦表示のままになってしまっているのだ。不便なだけでなく興覚めするので今後の改善を期待したい。
ピクセル・ブラウザーが今すぐメインのフルブラウザーになりうるかどうかは別として、携帯電話機にパソコン向けサイトの新たな閲覧方法が“標準搭載された”という意味で、N904iは価値ある1台といえるだろう。