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高画素撮像素子を搭載したFinePix入門機

【レビュー】FinePix A900

2007年07月03日 10時00分更新

文● 行正和義

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富士フイルム(株)の『FinePix(ファインピックス) A900』(関連記事)は、同社の“FinePix”ラインナップの中でも入門者向けにあたるモデルだ。ハイエンド機だけでなく普及・入門用モデルでも撮像素子の高画素化が進んでいるが、本機は900万画素というスタンダード~ハイスペック機なみの記録画素数なのが大きな特徴だ。

FinePix A900

富士フイルムの『FinePix A900』

撮像素子は同社お得意の“スーパーCCDハニカムHR”で、1/1.6インチ有効903万画素というのは同社の“ネオ一眼デジタルカメラ”『FinePix S9100』(関連記事)と同クラスで、同社一眼レフ機『FinePix S5 Pro』(1234万画素のスーパーCCDハニカムSR Pro)(関連記事)を除けば最高画素にあたる撮像素子だ。レンズは沈胴式で、f=39~35.2mm相当(35mmフィルムカメラ換算時)の光学4倍ズームを搭載する。光学3倍ズームがほとんどの同社コンパクト機では光学4倍ズームレンズはかなり珍しく、『FinePix E550』や『FinePix F810』(いずれも2004年7月発表、(関連記事)などの一部が採用する程度で、焦点距離などから見ても本機のレンズは新規設計のようだ。

上面

薄型スリム機に比べるとやや分厚い印象の本体だが、2段沈胴レンズはほぼ前面にフラットになるまで沈胴し、携帯性はそれほど悪くない。背面の操作系や前面のモールドなど、シンプルな箱型に見えてホールド性は考えられている

左右両側面

特に単3形電池を収容するグリップ側は分厚い印象だ。左側はインターフェースで上の小窓が赤外線端子

背面の液晶ディスプレーは2.5インチ11万5000画素と、従来の“A”シリーズ(FinePix A610/A800)と共通だ。記録メディアは最近の同社製品と同様に、xDピクチャーカードに加えてSDメモリーカードにも対応し、さらに本体内に10MBのフラッシュメモリーを搭載する。電源は単3形電池×2本というのも入門機らしく、アルカリ乾電池で100枚、ニッケル水素充電池ならば350枚という撮影枚数はA610/A800と同等となっている。外観的には従来機とほとんど変わりないものの、グリップ部の前面にあるモールドが大きくなり、指を掛けやすくなっている。また、従来機から装備されていたIrSimle対応赤外線ポートは、テレビなどの家電との通信にも利用できるように“IrSS”(IrSimpleShot)を新たにサポートした。

背面

大きなモードダイヤルやカーソルキーなど、シンプルな操作に加えて非常に分かりやすく作られている。液晶画面は撮影時メニューで、水平/垂直グリッドも表示可能

メニュー画面

モードダイヤルを回転させれば画面上でアイコンが回転し、分かりやすい説明文も表示される(上)。モードのセッティングをSPにすると(右上)シーンプログラムとなり、モード内でさらに各種シーンが選択できる(左下)。右下は撮影時にMENUボタンを押して表示される設定項目で、“マニュアル”モード以外では露出補正・ホワイトバランスは選択できない

撮影機能は基本的にプログラムオートとシーンプログラムで、使用頻度が高い(と思われる)“フルオート”、“ベビー”(フラッシュなしでの撮影)、“ブレ軽減”(高感度オート)、“赤目軽減”、“デジタルズーム”(3倍)、“人物”(色調を主に人物向けに調整)がモードダイヤルに含まれる。モードダイヤルの“SPポジション”内には、さらに細かなシーンプログラム(マニュアル、風景、スポーツ、夜景、夕焼けなど)が用意されている。

付属品一覧&電池室

単3形電池使用モデルということもあって付属品もシンプル。ケーブル類もminiUSB端子、AV出力端子も標準的なタイプとなっている。電池室にあるスロットは1つのみだが、xDカードにもSDカードにも対応する

シーンプログラムの“マニュアル”は、高機能コンパクトカメラで言うところのいわゆるマニュアル露出(シャッター速度や絞りの調整)ではなく、露出補正とホワイトバランスを設定できるというもの。逆に言えば、このモード以外では露出補正とホワイトバランスはまったく操作することができず、メニューボタンを押しても記録画素数とISO感度の設定、それにセットアップメニューへの移行があるだけとなっている。入門機ということもあり、初心者が不用意に明るさやホワイトバランスを変更して失敗写真を撮るよりはオートに任せたほうが安心という意味があるのだろう。とはいえ初心者でも、シーンプログラムを選択した後で“もうちょっと明るく撮りたい”という微調整に対応できないのはやや残念なところだ。

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