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プロセスからライフサイクルへ、米CAのエバンジェリストが語る「ITIL V3」

2007年06月29日 20時41分更新

文● アスキービジネス編集部

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ITの運用・管理手法のベストプラクティスをまとめた「ITIL」の最新版が5月30日にリリースされた。これを受けて、米CAのITサービスマネジメント&ITガバナンス・エバンジェリストであるロバート・ストラウド氏が6月29日に来日し、新しいITILについて解説した。


全5冊から構成される新しいITIL


プロセスからライフサイク ルへ、米CAのエバンジェリスト が語る...
米CA ITサービスマネジメント&ITガバナンス・エバンジェリストのロバート・ストラウド氏

「過去25年間を振り返ると、事業の中でどうITが活用されるかが変遷している。IT自体の意味合いが変わってきた」――。米CA ITサービスマネジメント&ITガバナンス・エバンジェリストのロバート・ストラウド氏は「ITIL Version 3」(以下、ITIL V3)発行の背景をこのように語る。

「従来、ITとは自動化や情報管理のために使われてきた。今日、ITが関与していないプロセスは皆無に近い。ITとビジネスを合致させるだけでは不十分であり、ビジネスの中にITを統合する必要がある」(ストラウド氏)。

 ITIL(アイティル:Information Technology Infrastructure Library)とは、ITに関する運用・管理手法を先進的な企業の事例(ベストプラクティス)をもとに英国商務局が体系化したガイドブックである。今年5月30日、その改訂版であるITIL V3がおよそ7年ぶりにリリースされた。

 ITIL V3では、「ITIL V2の内容を踏襲しつつ、従来のプロセス指向型からライフサイクルという考え方に進化させた」(ストラウド氏)。従来の7つの書籍からなる構成を見直し、「Service Strategy」「Service Design」「Service Transition」「Service Operation」「Continual Service Improvement」の5つにまとめた。また、V2に対する要望を取り入れ、より使いやすく詳細な指針が示されているという。

 ITIL V3を構成する5つの書籍の概要とストラウド氏による解説は以下のとおり。

「Service Strategy」
ビジネスの中のITの位置づけや、どのように戦略を立てていくか、どのような財務レベルをとればいいかをまとめている。
「Service Design」
提供するITサービスについてのすべてのデザイン要素、要件を織り込んでいる。どのようにサービスを立ち上げていくかを明確にする。
「Service Transition」
変更管理、構成管理、リリース管理のすべてを網羅している。資産管理、ナレッジ管理も含まれる。
「Service Operation」
オペレーションに関わるすべての論理を集約している。イベント管理、インシデント管理、問題管理、アクセス管理などが含まれている。特にV3ではインシデント管理を、物理的に発生するイベント管理と、ユーザーの要求実現のためのデマンド管理とに分けた。
「Continual Service Improvement」
PDCAサイクルについて独立してまとめたもの。PDCAを回すことはITILで重要なことだが、現実にはV2では「Service Support」と「Service Delivery」の2つしか使われないことが多かった。そこで今回、一貫してレビューできる基準を示し、改善ができるようにしている。

 ストラウド氏によると、このほか、IT統制の標準的なフレームワークである「COBIT」(Control Objectives for Information and related Technology)とITILを相互参照するための情報や、各産業に特化した詳細な情報も関連書籍等で提供されるという。

 また、ストラウド氏はV2からV3への移行のポイントを「7冊が順次発行されたV2と異なり、今回は5冊が一度にリリースされている。すべてを事前に把握して取り組むこと。また、プロセスとのすり合わせを十分に行なうことが重要だ」とアドバイスしている。

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