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【ケータイ機能一本釣り】

新機能“タッチクルーザー”はどれだけスイスイ操作できる?『SH904i』

2007年06月27日 21時48分更新

文● ヤシマノブユキ 撮影●高野裕靖

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FOMA SH904i
(株)エヌ・ティ・ティ・ドコモ/シャープ(株)製
オープンプライス(新規契約での実売価格:3万円前後)

シャープ(株)製の『SH904i』は、(株)エヌ・ティ・ティ・ドコモから5月25日に発売された“904i”シリーズのうちの1つ。1台の携帯電話機で2台ぶんの電話番号や電話帳などを使い分けできるサービス“2in1”(ツーインワン)に対応するほか、SH904i独自の機能として、操作キーの上部にノートパソコンのタッチパッドのように指でポインターを操作できる“TOUCH CRUISER”(タッチクルーザー)を搭載する。今回は端末としての基本性能を見ていくとともに、タッチクルーザーに注目して“一本釣り”してみた。

SH904iのインターフェース

キーパネル背面

キーパネルの背面には有効320万画素のオートフォーカス付きCCDセンサーと、おサイフケータイ用のFeliCaポートを備える

液晶パネル背面

液晶パネルの背面には、約0.8インチ(96×39ドット)のモノクロ有機ELパネルを搭載し、現在時刻などを表示できる

左側面

左側面には左から“プッシュトークボタン”“充電端子”“AV出力コネクター”を搭載する

右側面

右側面には“ミュージックボタン”、電力の消費を抑える“節電モード(Eco)ボタン”、画面全体のコントラストを下げて覗き見を防ぐ“プライベートフィルタボタン”、“microSDカードスロット”を搭載する

ノートパソコンのようにカーソルを
スイスイ動かせる“タッチクルーザー”

それでは、SH904iの“本命”であるタッチクルーザーを細かく見ていこう。タッチクルーザーとは、キーパネルと液晶パネルを結ぶヒンジ部の内側付近、カーソルキーとヒンジの間に搭載された静電式のタッチパッドのことだ。ノートパソコンのタッチパッドのような感覚で指先でなぞってカーソルを操作できるのが特徴で、

  • 軽くなぞるだけで、メニュー選択時のフォーカスを上下に移動できる
  • iモードブラウザーやフルブラウザーなどでポインターカーソルを好きな方向に移動できる
  • 中央部をダブルタップする(2連続で触れる)と“決定”操作ができる

などの操作が行なえる。

タッチクルーザーは、“TOUCH CRUISER”ロゴを中心とした長方形のエリアをなぞって操作する。やや上の方にあるように見えるが、手に持ったときに自然に親指があたる位置にレイアウトされているため、押しにくいということはない。ただし、そのぶんカーソルキーはややコンパクトになっている。

タッチクルーザー

カーソルキーとヒンジ部の中間にノートパソコンのタッチパッドのように搭載されている

カーソル

iモードブラウザーやフルブラウザーの閲覧時にタッチクルーザーに触れるとカーソルが表示される

きせかえメニュー

通常のメニューではフォーカスを上下にしか移動できないが、“きせかえメニュー”では、カーソルをどこでも好きな方向に動かせる。なお、通常のメニューで狙いが定まらないときは、まず指先をロゴの中心を置き、フォーカスを動かしたい方向に指を少し滑らせるようにするのがコツだ

パソコン向けサイトもストレスなく閲覧できる

タッチクルーザーが最も便利だったのは、パソコン向けサイトを閲覧するとき。タッチクルーザーを使うと、ページのどこへでもすばやくカーソルを持って行けるだけでなく、スクロールもスピーディーに行なえる。さらに、タッチパッドからほとんど指を離さず操作できるため、長時間使っていても実に快適なのだ。

ページをスクロールさせるときは、カーソルを画面の上下左右動かしたい側の端に持って行くだけでOK。カーソルが矢印に変わったところで指を離すと、およそ半ページスクロールして止まる。ページ端で押したままにすれば、ページの端まで連続してスクロールできる。

スクロール可能な方向は縦と横の4方向のみで、例えば左上から右下に向かって斜めにスクロールするようなことはできない

スクロールのスピードは、ページ単位のスクロール操作におよばないものの、通常のスクロールの約5倍と圧倒的に速い。ためしに、ASCII.jpのトップページを上から下まで一気にスクロールする時間を測定したところ、以下のような結果が出た。

SH904iのパソコン用サイトでのスクロールテスト
ページ単位のスクロール 約4.3秒
タッチクルーザー 約6.4秒
通常のスクロール 約28.3秒

従来のページ単位でのスクロールは高速なのが利点だが、画面の端で画像が切れてしまうことがあり、見たい部分が思うように見られずイライラすることがある。その点、行単位の高速スクロールができるタッチクルーザーなら、見たい部分をすばやく表示できるので、画像中心のサイトでもサクサクと閲覧できてとても便利だ。

タッチパッドの反応もすこぶるイイ。センサーの感度調整こそできないが、初期状態が絶妙なので実用上は問題ないだろう。

設定

“メニュー→設定→一般設定→TOUCH CRUISER設定”とたどればタッチパッド機能のオン/オフを切り替えられる

タッチクルーザーの意外な有効利用

もうひとつ感動したのが“マンガ・ブックリーダー”との相性の良さだ。

マンガ・ブックリーダー

タッチクルーザーを左方向になぞると次のページに進めて、右方向になぞると前のページに戻れる

タッチクルーザーでページをめくる。ただそれだけのことであり、従来のカーソルキーでも同様の操作はできるのだが、同じページをめくるのでも、指先でなぞるのとキーを押すのとではコンテンツへの感情移入の度合いがまったく違うということに、しばらく使っていて気付いた。こちらの方がコンテンツを純粋に楽しんでいる自分がいたのだ。

パン(1コマの中で視線を移動させる視覚効果)にも対応しているので、タッチクルーザーでページをめくっていると、まるでアニメ映像を鑑賞しているような楽しさがある。携帯電話機でマンガや本を読む習慣のない筆者だが、これなら読んでみようかなという気にさえなった。

派手さはないが、使ってみると便利な端末。それがSH904iなのだ。


SH904iの主なスペック
製品名 SH904i
ディスプレー メイン:3インチワイドQVGA モバイルASV液晶パネル(240×400ドット、26万色表示)
サブ:0.8インチ白色モノクロ有機ELパネル(96×39ドット)
カメラ メイン:有効320万画素CCDセンサー
サブ:有効11万画素CMOSセンサー
外部メモリー microSDカード(最大2GB)
連続通話時間 約170分
連続待受時間 約500時間
本体サイズ/重量 幅約50×奥行き19.9×高さ107mm/約130g
本体カラー ソリッドブラック、クリスタルホワイト、プレミアムピンク、ラインブルー

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