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松岡美樹の“ネットメディアの心理学” ― 第7回

iTunesの仕様に疑問をもつヤツはいないのか?〈後編〉

2007年06月27日 00時00分更新

文● 松岡美樹、イラスト●さとうゆり

 で、冒頭の定義にもどると、iTunesがしっくりこない花子さんは使わなきゃいいじゃん、って話になるのだか……実はそうもいかない。

 私はすでに60GBのiPodをもっており、どこへ行くにも常に音楽を聴いている。チャリンコをこいでる最中も聴いているし、トイレに入るときもそうだ。ゆえにiTunesは必須である。だからなおさらこの仕様がもどかしいのだ。

 とはいえ新しい発見もあった。買ったころにしかたなくiTunesをいじってるうちに、曲単位でシャッフル再生っぽい聴き方をするようになったのだ。

 WMPだけを使ってたころ、私にとって音楽はアルバムごとに正しい順番で聴くものだった。それがカンタンにできるから、そうすること以外は考えなかった。だけどiTunesで楽曲をアトランダムに聴くようになると、すでにもっているアルバムが新鮮に思えてきた

 例えば、Aという曲のエンディングにさしかかったとしよう。すると私の頭の中には、同じアルバムに収録されている次の曲のイントロがすでに湧き上がりつつある。パブロフの犬である。

 だが実際にはまるでちがう曲がかかるのだ。この見事な裏切られっぷりが新鮮である。食べ飽きていたデミグラスソースのハンバーグが突然、てりやき風味になったような感じだ。

 それだけじゃなく、ベストアルバムか何かを新しく買ったような気分にもなれる。実におトクだ。なんだかiTunesに洗脳されただけのような気もするが……それは考えぬが花、である。


松岡美樹(まつおかみき)

新聞、出版社を経てフリーランスのライター。ブロードバンド・ニュースサイトの“RBB TODAY”や、アスキーなどに連載・寄稿している。著書に『ニッポンの挑戦 インターネットの夜明け』(RBB PRESS/オーム社)などがある。自身のブログ“すちゃらかな日常 松岡美樹”も運営している。

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