イー・アクセス(株)は21日、都内・日比谷の帝国ホテルに報道関係者を集め、同社のモバイルWiMAXに関する取り組みを説明するとともに、ソフトバンクモバイル(株)との“フィージビリティスタディー(費用対効果調査)の共同研究”を開始すると発表した。
説明会では、イー・アクセス 代表取締役会長の千本倖生(せんもとさちお)氏、イー・モバイル(株) 代表取締役社長兼COOのエリック・ガン(Eric Gan)氏、ソフトバンクモバイル(株) 専務執行役兼CTOの宮川潤一(みやがわじゅんいち)氏が出席した。
まず、千本氏がモバイルWiMAXにおけるイー・アクセスのこれまでの取り組みを説明した。同社は2006年7月にモバイルWiMAXの実証実験を東京23区内で初めて開始し、下り10Mbpsの平均転送速度を達成。今月からは慶應大学湘南藤沢キャンパス内にモバイルWiMAXの基地局を設置し、郊外エリアでのモバイルWiMAXの通信機能やHSDPAとのシームレスな通信機能を確認するとともに、電波が届きにくい郊外地域でのビジネスモデルの検討などを行なうとしている。
また、同社のモバイルWiMAXの事業者免許の取得について、「免許を取得したいという強い意志がある」としており、総務省が提示した免許条件に従って、免許取得に向けて積極的に取り組むとしている。また、総務省の新規事業者への割り当て重視施策については、「インターネットのオープン性を重視した考え方」と評価していることを明らかにした。
そのほか、モバイルWiMAX事業展開および免許取得に向けて、ソフトバンクモバイルと共同でフィージビリティスタディーを行なうと発表。千本氏は「モバイルWiMAXは、将来性という面では大いにあるが、展開に向けての研究もまだまだ行なう必要があり、一社だけで行なうには非常にリスクが高い」と説明し、ソフトバンクモバイルの宮川氏も「総務省が発表した免許方針を受けて、まだまだ事業性については慎重に検討し、勉強していく必要がある。自社で進めきれるかと検討していたときに、イー・アクセスさんより話があり、やはり一社ではリスクが高いということで、共同で行なうことに合意した」と述べた。
ただ、共同でどのような事業を進めていくかという具体的な点に関しては、「まだ共同研究を発表した段階であり、事業について語るのはまだ早い」と、出席者3名が口を揃えて答えていた。