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約1万文字のロングインタビューの続き

「ニコニコの原点は文化祭」──ひろゆき氏が語るニコニコ動画 (後編)

2007年06月20日 21時30分更新

文● 松本佳代子、編集部 広田 稔

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ニコニコの原点は文化祭にあり


── マゾ!! でも、ほかの国に比べて日本人には多いかもしれません。

ひろゆき氏 確かに最近、開発者同士で「開発合宿をやろうよ」という話が出たんですが、あれって要するに2日がかりで仕事しようよってことですよね? 休日つぶしてまで仕事って、日本人て変わっている人が多いのかな、と思いました。

とはいえ僕自身、開発合宿は好きなんです(笑)。考えてみると、合宿は文化祭のノリなんですよね。運動会前夜みたいな。その場は辛いんだけどみんなでやって、あとから思い出すと楽しかったという。


── ニコニコテイストの原点は、文化祭にあったんですか!

ひろゆき氏 みんな割とテンションが高いので、文化祭のノリに近いですね。開発合宿の場所はその都度、温泉だったり都内のホテルに缶詰だったりと変わります。

以前、伊豆の温泉に2泊したときは、一回も外に出なかったんです。部屋も閉め切っていて、食事が来てやっと「あ、朝なの?」と気づく感じ。その間は、ずっとコーディング作業とかを黙々とやっています。「モジュラー上がりました」「はい、じゃチェックしま〜す」「じゃ、次これねー」といった感じで。


── 普段よりも集中できそうですね。

ひろゆき氏 開発合宿は、実は“家に帰れない”というのが重要なんです。ほかにすることがない状況。会社にいると、どうしても電話がかかって来たり作業が途切れたり、雑務などもこなさなければなりませんが、それが一切ない状況で根を詰めてやると、すごく早く進むんです。文化祭の高揚感もあるし、気が付くと、一気に終わってる。

伊豆の合宿後、ひょっとして伊豆に行くまでの片道3時間で、もっとコーディングをこなせるんじゃないかと、その次は新宿のホテルで合宿をしたんですが、新宿だと家に帰ってしまうんですね。

それで今回は、東京から電車で1本で1時間半とわりと近場なのに、帰るのはちょっと面倒くさいという成田空港の隣で合宿したら、上手くいきました。帰る気にならない微妙な距離が大事なんです。

合宿の頻度は年に1回くらいですが、行く前に作るものを決めて、完成させて帰ります。最近は、みんな忙しくなって、あまりやっていませんが。



一般常識には欠けるが、賢い“2ちゃんねるPG”

求人

ドワンゴが求人情報を出した2ちゃんねるのスレッド

── そういえば、以前、2ちゃんねるで募集したプログラマーはどうなりました? (関連記事)

ドワンゴ広報 第1回募集では3名採用して、いま働いています。応募は30数名あり、面接には6名が来て、そのうち3名を採用しました。今も2次募集の面接、採用が進んでいます。初回はいい人材が入ってきました。前職は学生であったり、高校中退してバイトをしていたりとかそんな人たちです。

ひろゆき氏 一般常識には欠けていますけどね。ただ、プログラムのアルゴリズムに関してはユニークな発想をするので、かなり賢いと思います。普通の大学に入って普通の企業に就職すると失われてしまうような素養を持ち合わせている人たちなので、面白いです。

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