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日本オラクル、エンタープライズ・マッシュアップを実現する「Oracle WebCenter」を発表

2007年06月18日 20時54分更新

文● 渡邉利和

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日本オラクルは6月18日、社内アプリケーションや一般のWeb上のサービスなどを自由に組み合わせて「エンタープライズ・マッシュアップ」を実現するための統合スイート製品となる「Oracle WebCenter」を発表した。Oracle Fusion Middlewareの新コンポーネントと位置づけられ、将来のOracle Fusion Applicationsの標準的なユーザー・インターフェイスとしても利用される予定だ。


複数のアプリケーションを組み合わせた企業内“マッシュアップ”を促進


日本オラクル、エンタープライズ・マッシ ュアップを実現する「O...

常務執行役員システム製品統括本部長の三澤智光氏

 「マッシュアップ」は、Web 2.0の代表的な手法としてインターネット上で各種のサービスを実現するために利用が始まっているが、現状ではWebでのサービス提供に限定された形となっており、企業内での利用は進んでいない。しかし、Web上でのマッシュアップは「サービス向上」「開発期間短縮」「開発コストの大幅削減」といったメリットが得られることがすでに実証されている。

 説明を行なった日本オラクル常務執行役員システム製品統括本部長の三澤智光氏は、「“なぜマッシュアップが企業内で利用可能にならないのか”という問いに答えるのがWebCenterだ」と語る。同氏は、企業内でマッシュアップの手法を実現することを「エンタープライズ・マッシュアップ」と説明。その定義を「社外のWebサイトだけでなく、企業内にある複数の仕様の異なるアプリケーション(WebサービスAPIの有無も問わず)を組み合わせて、業務効率を向上する1つのアプリケーションとして再構築すること」だとした。

 今回発表された「Oracle WebCenter」は、大きく「WebCenter Framework」「WebCenter Services」「Oracle Application Development Framework(ADF)」の3つの要素から構成される。

「Oracle WebCenter」の概要(左)。UI部分を切り離すことで、システムの柔軟な変更・再利用が可能になるという(右)。

 WebCenter FrameworkはJ2EEやJavaServer Faces(JSF)等の標準規格に基づくアプリケーションの開発/運用のためのフレームワークで、マッシュアップされたアプリケーションの表示を支える要素となる。ADFはマッシュアップ・アプリケーション作成のための統合開発環境で、同社が無償配布しているJava開発環境「Oracle JDeveloper」を中核としたもの。WebCenter Servicesはマッシュアップの素材として利用可能な各種のサービス群で、別製品として販売されている「Oracle Secure Enterprise Search」や「Oracle Communication & Mobility Server」のランタイム・ライセンスも提供される。

 価格(税別)は、625万円/1プロセッサ、または12万5000円/1指名ユーザーから。出荷開始は、Linux x86およびWindows(32ビット)版が6月19日。その他の商用UNIX等向けが7月3日。同社では、2007年中に早期導入顧客として30社獲得することを目標として掲げている。

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