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レジに「ETCレーン」が出現

お客が自分で POS入力できる セルフショッピング

2007年06月23日 00時00分更新

文● 野口岳郎(編集部)

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月刊アスキー 2007年8月号掲載記事

寺岡精工が開発した「WizSystem」

リーダー24台入り待機クレードル込みの初期費用は約600万円(ソフト開発は別途)。

 スーパーのレジに、ぎっしりと商品を積み込んだカートが列をなしていているのを見れば、誰だってげっそりした気持ちになる。買いたいものが1つ2つしかない人は、待ち時間がばかばかしくなって、自然とスーパーから足が遠のき、コンビニに向かうようになる。

 しかし、スーパー側にしてみれば、なにもたくさん買うお客さんだけを優遇したいわけではない。欲しいものが多いときも、少ないときも、自分のお店で買ってほしい。レジが憂鬱でコンビニに逃げられるのは重大な機会損失である。

 寺岡精工が開発した「WizSystem」は、お客が自らレジにおけるPOS入力に相当する作業を行えるようにすることで、レジではお金を払うだけですむという、前代未聞のシステムである。

 具体的な手順は下の図のとおり。まず会員証を当てて、棚からリーダーを取り出す。買い物をするたびに、品物のバーコードをスキャン(果物など、バーコードが付いていない品物の場合は、棚にバーコードが貼ってあるのでそれをスキャン)。レジで、リーダーを専用の台(WizStation)に置くと、瞬時に買い物内容がレジに転送され、支払い金額がわかる。

ユーザーは、自分が何を買ったか、合計いくらになるかを確認できる。レジのリーダー置き(WizStation)は既存のPOSスキャナと差し替え可能で、リーダーの信号もPOSと互換なので、既存のレジがそのまま使える。

 同社取締役でリテイルトランザクション事業部長の森邦雄氏は、「たとえば5品以下といった少数の商品を購入される方向けの高速レジ用と、ロイヤルカスタマーに対するサービスという、2つの応用例を想定しています」と語る。ミスあるいは悪意によって、かごに入れたものをスキャンしないとか、他の安い商品のバーコードをスキャンされる可能性もあるが「実は店員さんの商品把握力は想像以上に高く、5品くらいでしたら、リーダーから送られてきたデータと違っていればすぐにわかります」という。一方で、信頼できるロイヤルカスタマーに対しては、商品数の制限を撤廃することで、より上位のサービスとして提供できるというわけだ。

 6月中にも、実店舗での運用が始まる予定という。

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