米Google社のシニアプロダクト&マーケティングマネージャーで、エンタープライズビジネスを担当するケビン・ゴフ氏が来日し、都内で7日に会見した。
会見の中でゴフ氏は
「この5年間、VoIP、分散処理、動画ストリーミングなど、コンシューマの分野でさまざまな技術革新が起こってきたのとは対照的に、企業のITは革新性の面でもユーザーの使い勝手の面でもこれに劣ってきた」
とコメント。Googleに代表されるWeb 2.0企業が、膨大な数のコンシューマを相手にしながら培ってきた技術が、企業システムを変えていくことを改めて強調した。
Googleのサービスは誰もが理解している
近年、GoogleはGoogleの検索技術を簡便に導入できる“Google 検索アプライアンス”や、SaaSモデルを利用した定額制のオフィスアプリケーション群“Google Apps”といった企業向けのソリューションに積極的に取り組んでいる。
「Google グループやYouTubeをディスカッションやeラーニングのツールとして、ビジネスの現場で生かせるかもしれない」
一般にSaaSのメリットは、サーバーの運用コストやバージョンアップに付随した費用などコスト面での負担が大きく減らせること、異なるOSをインストールしたパソコンや携帯情報端末でもネットワークに接続できる環境であれば、同じ機能を利用できる点などが挙げられるが、Googleの場合はこれに加え、広く普及したサービスであるため、ユーザーに違和感なく受け入れられる点もメリットになる。「みんながGoogleの検索を理解している」とゴフ氏は話す。
同時にゴフ氏は、オフィス関連のソフトだけが、Google Appsの特徴ではないと話す。
「既存の企業システムの予算のうち70%はメンテナンス費用。これでは革新性に投資ができない。しかし、企業システムはGoogleと同じ速度で進化できる位置にジャンプできた」
ゴフ氏は、従来型の企業システムやパッケージソフトの市場は今後もなくならないとしたが、SaaSにはイノベーションが起きており、ユーザー主導型のサービスが展開されている。検索は情報社会での酸素のようなもので、必要不可欠であると現状をまとめた。