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豊富なメディアに対応するコンパクトフォトプリンター

【レビュー】SELPHY CP750

2007年06月04日 21時00分更新

文● 行正和義

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小型のフォトプリンターにも“インクジェット”方式の製品が増えてきているが、インクジェットに比べて駆動部が少なくコンパクトさが特徴の“昇華型熱転写”方式もまだまだ健在だ。キヤノン(株)はコンパクトフォトプリンターとして、インクジェット方式の“PIXUS mini”(ピクサス ミニ)シリーズと昇華型熱転写方式の“SELPHY”(セルフィー)シリーズの2ラインナップが用意されている。

SELPHY CP750

キヤノンの昇華型コンパクトフォトプリンター『SELPHY CP750』

5月に発表された『SELPHY CP750』(関連記事)は昇華型熱転写プリンターの最新モデルにあたり、印刷解像度300×300dpi/各色256階調、CMYおよびオーバーコートの4パス方式など、印刷機構そのものは従来機『SELPHY CP730』(2006年6月発表、関連記事)と共通のものを利用しているためスペック上の変化はない。箱状ボディーの上面に液晶ディスプレーおよび操作部、前面にカードスロットと給紙部を備えるのも同様だ。横幅は1mm増えたものの奥行きが4mm小さくなるなど小型化の工夫がなされているほか、液晶ディスプレーは2インチから2.4インチへ大型化しているのが外観上の大きな違いとなっている。

本体前面

本体前面には各種スロットが備わり、miniSDやメモリースティックDuoなどもアダプターなしで装着できる。下半分のフタを手前に倒すと給紙カセット装着部が現われる

本体背面

背面にはオプションのバッテリーパックを装着できる。印刷時には用紙が数回背面に飛び出るため、下側にはスリットが設けられている

液晶ディスプレーの右側と下側に各種ボタンが並び、右にあるカーソルを合わせて各種画像補正のON/OFFやレイアウト・トリミング処理などを行なう。ボタンは必ずひとつの機能に割り付けられ、各機能内でカーソル操作を必要とするシーンこそあれ、メニューが階層化していないのは機能の一覧性という点では非常に見やすい。また、従来機では欧文とアイコン表記だったボタンも日本語化しており、初心者への配慮がなされている。

本体左側面

左側面のフタを開けてインクリボンカートリッジを装着する

前面にあるカードスロットは従来機と同様に多彩なカードに対応しているのが特徴で、CF、SD、“メモリースティック”シリーズに加えて、miniSDやメモリースティックDuoもアダプターなしで利用できる(microSDはアダプターが必要)。USB端子と赤外線通信ポートを装備するのも従来機と同様だが、赤外線通信ポートは新たに高速通信規格“IrSimple”にも対応した。

本体右側面

右側面にはUSB端子が2つ用意されており、パソコンなどと接続するほか、USBメモリーなどを直接挿して印刷、USB型のBluetoothアダプターの装着にも対応する

本体上面

中央に液晶ディスプレーを配置してその周囲に操作系を集中させたレイアウト。サイズ的にはハガキサイズよりも一回り大きい程度で、ちょうど分厚い弁当箱といった感じだ

デジタルカメラ画像の入ったメモリーカードをセットすると画像が表示される。下にあるバーがそれぞれボタンと対応して印刷モードやレイアウトを示すようになっている

印刷機能は細かく向上してきており、デジタルカメラではおなじみとなった顔認識による“赤目現象を自動補正する”機能や、印刷レイアウトに新たに“フチなし割り付け印刷”(余白なしで2/4/8枚の画像を1枚に印刷)機能が追加され、画像処理の変更による“肌色の発色性向上”などが行なわれている。また、印刷時のカラー変更機能に、従来からのモノクロ/セピア/くっきり(彩度強)/すっきり(彩度弱)に加えて“ポジフィルム”が加わった。これはポジフィルムで撮影した発色を意識して、青、緑、赤を強調するように色調を調整するもの。

付属品一覧

付属品には給紙カセット(L判用・カードサイズ用の2種類)、ACアダプターなどが付属する

デジタルカメラのメモリーカードを各スロットに挿し、各種画像処理を選択して印刷開始を押すだけという印刷手順は非常に簡単だ。印刷開始ボタンを押してから印刷が終わるまでは約1分20秒(画像処理など、ペーパーが給紙される前段階の30~35秒を含む)。

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