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ITジャーナリスト3人が未来を予測

Apple TV & YouTubeがもたらすもの

2007年06月01日 19時00分更新

文● 編集部

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「5年後のアップルに向けての大きな一歩」――本田雅一氏

 アップルはiPodの時、5年先の世界を見据えながら製品を投入。ウォークマンからヒントを得たおもちゃと言われながらも、一歩づつ、音楽のネットワーク流通への道を拓いていった。


 今回のApple TVでも、アップルはおそらく5年先を見据えて製品を開発している。現時点ではテレビ放送さえ受信できないIPTV端末の一種でしかないApple TVだが、数年先にはテレビを楽しむスタイルを変えていることだろう。


 加えてYouTubeとの提携は、アップルが映像のネットワーク流通により、市場環境が変化することを予見していることを示している。ネットワークがもたらすのは、コンテンツの多様化だ。膨大な予算で制作されたプレミアムなフルHDコンテンツと、個人が発信する低クオリティだが興味をそそる映像は排他的な関係にあるわけではない。アップルはそのことをよく理解しているのだ。


 Apple TVの将来に向けた種まきの時期に、世界でもっとも多様な映像が集まるYouTubeとの接続性を確保したことは、5年後のアップルに向けての大きな一歩と言われるようになるはずだ。



「娯楽としてのテレビ視聴を復権できるか」――小寺信良氏

 今回の提携は、実際にどういうGUIを使い、コンテンツをどう見せていくのかということで、意味合いがずいぶん変わるように思える。キーワードで検索が可能なのか、それともアップルが何かしらかのレコメンデーションをするのか。


 もう一つ、日本ではイリーガルな映像の温床といった見方をされているYouTubeだが、米国では自分で撮影した投稿ビデオが大半を占めている。そうした利用スタイルの違いにおける“温度差”が、日米での受け止められかたに大きく影響するだろう。


 テレビ離れが進む日本においては、YouTubeをいかに上手く使って、娯楽としてのテレビ視聴を復権させるかということがポイントになっていく。


 懸念材料として考えられるのは、そこまで考えてやれる人材が、今の日本の放送業界にいるのかということ。テレビの中にヒーローは沢山いるけど、テレビのバックヤードには革新を行なうヒーローが居ないのが問題。まあ、おそらく放送業界は、無視するか、著作権違反で騒ぎ出すかのどちらかだと思います。


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