“日常から気軽に使える”が最大の魅力
本体のみで155g(電池は約17g)という重量は、スリムコンパクト機としてはとりわけ重いというわけではない。従来機に比べると6g重くなっているのだが、手に持ってみるとそのサイズに似合わない“ずしり”とした印象は、使っていてむしろ安心感がある。右グリップ部に延長した外周フレームと前面に新設された指がかりによってホールド性も向上し、ボタン類の押しごたえ、底面の電池室や側面のインターフェース部におけるフタの開閉しやすさなど、“普通の”(防水・耐衝撃ではない)デジタルカメラと遜色がないように作られているのは大いに好感が持てる。
圧力センサーによる深度計・高度計も確かに面白い。GPSを使った位置情報など、画像に各種情報が付加するだけで、インターネット上の各種サービスと組み合わせるとさまざまな活用が可能となることはすでに知られている。本機で記録されるのは水深や標高だけで緯度経度は含まないが、余分な付加機器を持ち込まずに本体だけで撮影地の情報が記録されるのは、ダイビングや山歩きなどアウトドア派の楽しみをいっそう広げてくれる。ただし、平地では1020hpa(晴天時)~980hpaの間を20hpa単位で変化する程度、標高は数10m単位で変わる程度なので、気圧高度計としての用途には“目安程度”にしかならない。アウトドア用腕時計などに内蔵されている気圧計でも、もっと細かい計測が可能なことを考えれば陸上使用での物足りなさは否めないところだ。
スーパーマクロLEDライトはマクロライトとして、フラッシュ使用では近すぎるようなケースに重宝し、白色LEDの色味はやや青白い印象があるものの、使い方によっては水中写真に限らず普段からの補助光としても活用できそうだ。
画像は明暗の激しいシーンで黒つぶれや白とびが起こりやすく、周辺部では画像が歪みやすいなど、いかにもコンパクト機らしい印象だ。色味は同社特有のやや濃い目に出る傾向にあるが、極端に鮮やかさを強調していないため不自然さはさほど感じられない。
防水性能がアップしたことで、従来のシュノーケリング程度からちょっとしたダイビングまで防水ハウジングなしに対応できるようになった点が大きいが、耐衝撃性・耐寒性の向上によって夏の海だけでなく、スキーや山歩きまで活躍の場がぐんと広がっている。海や山のように特別の日だけでなく、普段からの持ち歩きカメラとして使ってもコンパクト機として遜色のないサイズや重さに仕上がっており、従来機にも増して気軽に使いたい製品となっている。
μ770SWの主なスペック | |
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製品名 | μ770SW |
撮像素子 | 1/2.33インチ有効710万画素 |
レンズ | 光学3倍ズーム、f=6.7~20.1mm(35mmフィルムカメラ換算時:38~114mm相当)、F3.5~5.0 |
静止画撮影 | 最大3072×2304ドット |
ISO感度 | オート、ISO 80/100/200/400/800/1600 |
動画撮影 | 640×480ドット、15fps、MotionJPEG圧縮AVI形式 |
液晶ディスプレー | 2.5インチTFT、約23万画素 |
記録メディア | 内蔵約18MBフラッシュメモリー&xDピクチャーカード |
インターフェース | USB、AV出力、DC入力 |
電源 | 専用リチウムイオン充電池(LI-42B) |
撮影可能枚数 | 約220枚 |
本体サイズ | 91.8(W)×20.6(D)×59.2(H)mm |
重さ | 155g(本体のみ) |