ソニー(株)の2006年度連結決算説明会が、16日都内で行なわれた。
エレクトロニクス関連事業では、ノートパソコン用バッテリーの回収などがあったが、ビデオカメラ、デジタルカメラ、放送機器、パソコンなどが売上を牽引。黒字化に関しては来期に持ちこされたものの“BRAVIA”ブランドで展開している液晶テレビ事業も増収した。結果として、エレクトロニクス分野での売上高は前年比16.9%増の6兆505億円、営業利益も昨年の69億円から、1567億円へと大幅に向上した。
以下、説明会に出席したソニー執行役EVP兼CFOの大根田伸行氏の発言から、来期の戦略のハイライトになる部分をピックアップする。
一眼レフカメラ市場にも攻めの姿勢で
バイオはノートを拡大
パソコンに関しては、海外市場でノートパソコンが伸びた。2007年度は、バイオノートのラインアップを拡大するとともに、ビデオ編集などに対応できるハイスペックなAVマシンやボードPCといった分野にも積極的に取り組んでいく。
BRAVIA事業もようやく黒字化へ
テレビ事業に関しては、前年比32%増の1兆2350億円の売上げを計上した。依然として225億円の損失だが、740億円の改善ができており、年間630万台の売上げ。液晶テレビの価格は20~25%程度下落すると予想されるが、BRAVIAのビジネスは2007年通期で黒字化できる見通し。
一眼レフは新機種を投入する
一眼レフカメラ(DSLR)に関しては、今期は約40万台を出荷した。DSLRのカテゴリーは市場の10%程度を占めており、2007年度は60万台ぐらいの出荷が行なえる見込み。去年は秋に1モデルをリリースしたが、その次が続かなかった。ただし、設計能力などは向上しており、タイミングや価格は今のところ公表できないが、夏以降順次ニューモデルを導入していけると思う。
ポータブル市場には必ず帰ってくる
ポータブルオーディオに関しては、(今期は550万台という目標に対して、450万台しか出荷できなかったが)来期は500万台を目指したい。この分野で中心になるマーケットは日本となる。米国ではシェアが低く、戦いになっていない状況が続いているが、この領域に対してソニーでは、オーディオだけでなくビデオも含めたトータルのビジョンを提供したいと考えている。時間をかけてこの市場にも戻ってきたいと考えている。
ソニーはマインドセットを改めた
(エレクトロニクスCEOの)中鉢も言っているが、基本的にソニーはお客様の立場に立った商品開発を忘れていた。技術屋の独りよがりにならないよう、マインドセット(心構え)を改め、ひとりよがりにならない商品開発を行なっている。これがテレビ、デジタルカメラの利益増につながっており、ブラビア戦略も急速に立ち上げられた。