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【一足先に目撃!!】噂の10周年記念モデルをチェック!

写真で見る新“VAIO type T”

2007年05月17日 15時00分更新

文● 編集部 小西利明

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ソニー(株)の新しいモバイルノートパソコン“VAIO type T”は、VAIOブランド10周年を記念した製品として、所有欲をそそる美しいデザインと、モバイルノートに求められる機能・性能の両立を目指したノートパソコンである(関連記事)。ここでは新type Tの試作機を豊富な写真を元に紹介し、デザイン面での魅力を探ってみたい。

初代505~505EXTREME~そして新type Tへ

“VAIO type T”

“VAIO type T”(注:写真は試作機のものです)

新type Tでまず目を引くのは、その独特のデザインだろう。1997年に登場した初代“バイオノート505”の“バッテリーを装着するヒンジが芯となり、フラットな板が突き出るような形状”を踏襲したデザインは、余分なもの一切を削ぎ落とした硬質な印象を抱かせる。その外観を見て、2002年に登場した“バイオノート505エクストリーム”(関連記事)を思い出す人もいるだろう。505エクストリームは2004年を最後に新製品が途絶えていたが、ある意味ではこの新type Tこそが、505エクストリームの精神を継承する後継者と呼べるかもしれない。

1997年に登場した初代505こと『PCG-505』

1997年に登場した初代505こと『PCG-505』。既存のノートの枠を超えたデザインと薄さで、VAIOブランドの名を高めた

2002年に登場した“505エクストリーム”『PCG-X505/SP』

2002年に登場した“505エクストリーム”『PCG-X505/SP』。厚さ9.7~21mmという驚異的な薄さと、閉じた状態では薄い書類ファイルのようなフラットなデザインは、いまだに並ぶものがない

艶やかな天板は、高級感のある落ち着いた塗装で彩られている。写真の試作機の天板は、“VAIO OWNER MADEモデル”(VOMモデル)でのみ選択できる“ボルドー”のカラーリングである。光の加減にもよるが、ワインレッドよりもやや茶に近い色合いとなっている。塗装は専門の技術を持つ職人によるものという。天板とボディー背面は炭素繊維(カーボンファイバー)積層板で、軽さと強度を兼ね備えている。ボディー背面はフラットな部分だけでなく、手前側の斜めの部分にかかる角までがカーボンファイバー積層板の一体成形となっているため、捻り剛性を高めているという。

シックで高級感のある“ボルドー”

シックで高級感のある“ボルドー”。type T全体の硬質なイメージをほどよく和らげているように思う

フットプリントは週刊アスキーより若干大きい程度

フットプリントは週刊アスキーより若干大きい程度

ちなみに、VOMモデルで選択できるカラーバリエーションには、505エクストリームやVAIO type Sでも採用された“プレミアムカーボン”を選ぶこともできる。カーボンファイバーの繊維が作るヘアライン風の模様が美しく、新type Tの高級感あるデザインにマッチしていると思う。

“プレミアムカーボン”のサンプル写真

“プレミアムカーボン”のサンプル写真。ヘアライン加工が施されたような模様の天板が、光を当てると美しく輝く

数字以上に薄く見えるボディー

写真でもそう見えるし、手に持っても「薄い!」と感じる新type Tだが、実のところ本体の厚さ(約22.5~29.8mm)は、2007年春モデルまでのtype T(約21~28.5mm)より若干厚みを増しているくらいだ。それにも関わらず薄く感じられるのは、LEDバックライト採用の薄型液晶ディスプレーと、斜めに削ぎ落としたような本体側面の形状によるものだろう。光学ドライブのベゼルやExpressCardスロット、コネクタカバーや無線LANスイッチも、この斜めの形状に合わせてデザインされているので、デザイン上の統一感を損なわない(ヘッドホン出力とマイク入力がはみ出しているのは残念だが)。

液晶ディスプレーのヒンジ部には、円筒形のバッテリーが装着されている。写真のそれは“軽量バッテリー”と呼ばれるもので、店頭モデルではこれより大きな“標準バッテリー”が添付される。標準バッテリーは軽量バッテリーの2倍の単電池(6セル)を内蔵しているのだが、増えたセルを底面側に、半球状に出っ張る形で搭載しているので、フットプリントを増やさずデザインも損ねずに、バッテリーの大型化を実現している。本体を手に持つ際にも、ちょうどよい手がかりにもなる。

バッテリー左側にACアダプターのコネクターを差す

バッテリー左側にACアダプターのコネクターを差す。コネクターは通電中、LEDで緑色に光る

バッテリー右側の電源ボタン

バッテリー右側の電源ボタン。稼働中は緑色に点灯。スリープ状態ではオレンジに点滅する

キーボードの周囲のパネルは、パームレスト部よりやや低くなっており、その表面はピアノ調の艶やかな黒となっている。艶のあるパネル上に浮いてるようなキートップは、一見するとタッチが軽すぎてぐらつきそうにも見えるが、実際にはキーボード、パネル、パームレスト部を一体化することで、強度を高めてぐらつきも抑えているという。

本体前面を左から

本体前面を左から。キーボードパネル面がパームレストより沈んでいるのが分かる。前面にはオーディオ関連の端子とメモリースティックスロット。その下の開口部はSDメモリーカードスロット

本体前面を右から

本体前面を右から。前面にはメディアプレーヤー操作用ボタンが並び、その下に無線LANのオン/オフスイッチ。パームレスト右側にFeliCaポートがある

キーボードを真上から

キーボードを真上から。キーボードパネルは艶やかな黒となっている。なお、英語キーボードなのは試作機のため

厚さ約4.7mmの液晶ディスプレー部には、ディスプレーとLEDバックライトに加えて、IEEE 802.11a/b/g用のアンテナと、IEEE 802.11n(ドラフト)用のMIMOアンテナ、さらに約30万画素のウェブチャット用CCDカメラと、ワンセグチューナー用アンテナまで内蔵している。よくもこの厚さと面積に、それだけの機能を詰め込めたものだ。ただしBluetooth 2.0用アンテナは入れる余裕がないため、本体左側面の排気口の上に装備されているという。

本体左側面

本体左側面。左から、ACアダプター用コネクター、(カバー内に)モデムとLAN、i.LINK端子、ExpressCard/34スロット、USB×2、盗難防止用ロック装着口

本体右側面

本体右側面。右からUSB、アナログRGB出力、電源ボタン。写真中央から左にかけてのカバー部分は、店頭モデルではDVDスーパーマルチドライブが装備される。電源ボタンがオレンジ色なのは、スリープ状態ではオレンジ色に点滅するため

左側面、コネクター部を開けた状態

左側面、コネクター部を開けた状態。LAN端子は1000BASE-T Gigabit Ethernetにも対応している

本体背面

本体背面。中央に見える開口したコネクターはポートリプリケーターの接続用コネクター。多少の通気口とねじ穴はあるが、背面はフラットで見苦しい凹凸はない。持ち歩くモバイルノートは背面も美しくあるべきという好例

ワンセグ用のアンテナが、これまた凝ったデザインとなっている。液晶ディスプレーの右端に収納されているのだが、アンテナのヘッド部分を天面パネルの色や形状と揃えているので、収納状態ではそこにアンテナがあるという印象を受けない。ワンセグ放送視聴時には、アンテナを伸ばして受信するのだが、伸ばしたアンテナの先端部にまで、小さくVAIOのロゴが刻まれている。そこにロゴがあることに実用的な意味はないだろうが、こんなところにまでこだわるというのも、ある意味“粋”と言えるかもしれない。

ワンセグ用アンテナを伸ばした状態

液晶ディスプレー右端にあるワンセグ用アンテナを伸ばした状態。他の写真と見比べると分かるが、閉じた状態ではアンテナがあることすら意識しない

アンテナ先端部の拡大写真

アンテナ先端部の拡大写真。先端部と軸の部分は、天板と同じ色をしている。先端には小さなVAIOロゴが掘られている

薄いボディーとはいえ、拡張端子類は充実している。USB 2.0×2やi.LINKはもはや当然だが、LAN端子は1000BASE-T対応であるし、左側面にはExpressCard/34スロットも備える。前面にはメモリースティックスロットとSDメモリーカードスロットが上下に並んで配置されているといった具合だ。

写真の試作機は光学ドライブを搭載しておらず、その部分には容量160GBの2.5インチHDDが内蔵されている(加えてUSB 2.0ポートも追加されている)。外からは見えないが、OSがインストールされる内蔵の主HDDの代わりに、32GBのフラッシュメモリードライブを搭載することも可能だ。Windows Vistaを使うにはさすがに32GBでは不足気味だが、さらなる軽さとバッテリー駆動時間を求めるなら、選択の価値はあるだろう。

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