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番号ポータビリティー、ケータイ各社の本当の気持ち

2007年05月12日 00時00分更新

文● 編集部

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「転出は予想の範囲内だが、転入は下回った」とNTTドコモ


 最後に最も落ち込みが激しかったNTTドコモに、苦戦の理由は何かと尋ねた。

「アンケート結果などから判断すると、“家族が使ってるキャリアに合わせたかった”“他社の端末に魅了的なものがあった”“ドコモは料金が高い”といった意見が多かったようです。しかし、他社からドコモへ転入してくるユーザーの意見も同じようなものが多いのも事実です」

 それではドコモでは今回の結果をどう受け止め、今後どのような対策をしていくつもりなのだろうか。

「シェアが大きいぶん、(3キャリアーのうちで)「MNPの影響を最も受けるのがうちである」と当初から予想していました。他社への転出数は予想の範囲内でしたが、他社からの転入が予想より少なかったのは誤算でした。今後は“DoCoMo2.0”をスローガンに、他社にない魅力的な端末やサービスを充実させ、攻勢をかけていきます。また、エリア整備をしっかりとやり、“一番つながる携帯”として、お客様の満足度を高めていきたいですね」

 料金プランの改革が必要なのではないか、という質問に対して担当者は以下のように答える。

「まだ具体的なプランはありませんが、まずは“ドコモは料金が高い”というイメージを払拭させたいです。実際の料金はauさんとほとんど変わりませんし、ソフトバンクさんのホワイトプランに関しても、ソフトバンク同士は無料ですが、他社との通話は有料です。ドコモとauで約8割のシェアーがありますので、ソフトバンク以外にもまんべんなく電話した場合、ドコモの料金プランとあまり変わらないケースが出てくるでしょう」



MNPの結果が将来を占う


 携帯電話の契約数は国内で約1億に達し、市場は完全に飽和しているという声がある。しかし、法人契約や携帯モジュールの需要はまだまだ増えていて、新規需要も見込める点が今回の取材で明らかになった。一方で、MNP市場は次第に落ち着きつつある。MNPによる大きな市場シェアーの変動は当面のところないというのが、一般的な見方だ。

 しかし、ソフトバンクの孫正義氏が「10年戦争」と言うように、携帯電話事業は長期的なスパンで考えなくてはならない。MNPの人気はすなわち、各キャリアーに対するユーザーの支持を表している。MNPのシェアーを獲ることが、将来の市場獲得のために重要であることは間違いない。

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