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Photoshop CS3+AfterEffects CS3で3D CG動画編集をデモ!!

Adobe Premiere CS3/AfterEffects CS3など動画編集ソフト群の新機能説明会を開催

2007年05月11日 17時02分更新

文● 編集部 佐久間康仁

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アドビ システムズ(株)は11日、東京・南青山のスパイラルホールにプレス関係者を集め、今月8日に発表された『Adobe Creative Suite CS3』のうち、動画編集ソフトを集めたスイート製品『Adobe Creative Suite CS3 Production Premium』(Windows版/Macintosh版)について、新機能などを紹介する説明会を開催した。8日時点ではスイートを構成する製品名と価格のみが発表され、詳細については明らかにされていなかったが、今回は動画編集機能も搭載された『Adobe Photoshop CS3 Extended』との連携や役割の違い、各種動画ソフトの連携などがデモンストレーションされた。

視聴者として、コンテンツプロデューサーとして
理想的な視聴環境を提供する――Adobe Media Player

サイモン・ヘイハースト氏

米アドビ システムズのダイナミックメディア部ディレクターのサイモン・ヘイハースト氏

新製品群のデモに先だって、米アドビ システムズ(Adobe Systems)社のダイナミックメディア部ディレクターのサイモン・ヘイハースト(Simon Hayhurst)氏が壇上に立ち、4月19日に発表したFlash動画の再生ソフト『Adobe Media Player』を紹介した。ヘイハースト氏はまず、「最近、多くの人から同じ質問をよく受けるんだ。メディアプレーヤーを増やして市場を混乱させるつもりか? どういう意味があるんだ? ってね」と切り出し、アドビ システムズがAdobe Media Playerをリリースする意図を説明した。

現在インターネット上で配信されているリッチメディアの多くはFlash形式で、Flash Videoも多く利用されている。そのチャンネル数は数百万にも上る。その中から、出演者や番組タイトル、ジャンルなどで分類したり、友人が推薦してくれた番組、自分がこれまでに見てきた番組の傾向から自動的に提案してくれる番組がリストアップされたら、視聴者として大変便利になる。

Adobe Media Playerの画面。「具体的な名前は言えないが」と前置きしながら、すでにいくつかの映像コンテンツホルダーが関心を示していることを明らかにした。右の画面は米国で人気のコメディー番組『RENO911!』

一方、動画を提供するコンテンツプロデューサーや、そこにCMを出すクライアントの立場に立つと、いつどこで誰が見ているか分からない、CMを打っても効果があるかどうか不明なメディアに多額のCM料金を出すわけがない。その点、Adobe Flash Media Serverを使えば視聴者の追跡や使用時間、所在地などが把握でき、視聴環境に合わせた広告を送ることができる。さらに、Flash形式なら視聴メディアを問わずに配信することもできる。これらが、Adobe Media Playerをリリースした理由だと述べた。

ヘイハースト氏は最後に、「革命はTVの先で起きている」と締めくくり、リッチメディアとビデオ(従来の電波やケーブルによる映像配信)の境界が曖昧になってきていること、コンテンツの配信手段がリビングルームの固定されたTVだけでなく、携帯電話機など豊富になってきたこと、それによって視聴者の関心を引きつけるための競争が始まっていることを強調した。



Photoshopのバニッシングポイントで生成した
3Dパースを元にAfterEffectsで3D CG動画を編集!

続いて、Adobe Creative Suite CS3 Production Premiumに含まれる製品の新機能を紹介するデモが行なわれた。

デモは、各製品単体の機能というより、製品間のスムーズな連携に重点を置いた内容が多かったが、特に注目を集めたのはPhotoshop CS3とAfterEffects CS3の連携機能による、3D CG動画のデモだ。

PhotoshopもAfterEffectsも、どちらもいわば2Dグラフィックス(かたや静止画、かたや動画)を扱うソフトだ。それらを連携して3D CG動画というとにわかには信じられないかもしれないが、Photoshopは前バージョン(CS2)から、建物などの立体物の写真をリアルに合成・編集するためのパース生成・管理機能“バニッシングポイント”が追加されている。これを応用して、バニッシングポイントで生成したパース情報を3Dモデリングとして扱い、AfterEffectsでカメラアングルを変えることで、1枚の静止画からあたかもビデオ撮影してきたような動画(3D CG動画)を作り出すというデモが行なわれた。これは、Photoshop CS3のデータ構造をそのまま読み込めるようになったAfterEffects CS3との連係機能をアピールするのに、大きなインパクトがあった。

Photoshop CS3とAfterEffects CS3で3D CG動画を編集

Photoshop CS3でバニッシングポイントを使ってパース情報を付加し、AfterEffects CS3に読み込んでカメラアングルを変えているところ

パース情報に単なる写真(テクスチャー)を貼り付けたモデルなので、カメラアングルによってはテクスチャーの影の不自然さに気づくところもあるが、ロケ撮影し直すことができない遠方(海外)などの建物を使った動画作成などでは、低コストで効果的な映像が作成できるだろう。

このほか、Flash CS3とAfterEffects CS3を組み合わせて、Flashで作成したSWFファイルを、レイヤーやオブジェクトの動き情報をそのままの形で読み込んで、AfterEffectsの動画エフェクトを反映したり、編集結果を再度SWF形式で書き出す、といったデモも行なわれた。

Photoshop CS3 Extendedのビデオレイヤー

Photoshop CS3 Extendedのビデオレイヤーで、動画にテキストレイヤーや静止画(ロゴ)を付けたところ。テキストやロゴの加工に、Photoshopの豊富なフィルター/エフェクト機能が利用できる

なお、Photoshop CS3 Extendedがビデオレイヤーをサポートして、動画編集機能も取り込んだ理由について、「これはPhotoshopの豊富なフィルター機能や便利な範囲選択ツール、ゴミ除去などの修正ツールをビデオファイルに対しても使えるようにしたもの。いわば、各ソフトが得意分野を生かして連携するための改良だ」(プリント&パブリッシング部の西山正一氏)と述べた。いたずらに機能を増やしたり、同じ会社のソフト同士で重複する機能を搭載しあっているのではない、とのことだ。

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