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よろしくパソドック 第1回

【よろしくパソドック Vol.1】

コンデンサが妊娠!? 魔法がくれたハンダごて!!

2007年05月03日 21時30分更新

文● 藤山 哲人

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マザーボードからコンデンサを取り外す

 いよいよ本題である。破裂したコンデンサをマザーボードから外すために、40W程度のハンダごてを温める。普通、電子工作には20W程度のハンダを使うが、コンデンサの取り外しにはちょっと熱量不足だ。
 まずは破裂したコンデンサの足が、基板のどこにハンダ付けされているかを見極める。部品面とハンダ面を見比べて探していこう。
 次にそのコンデンサの向きをメモしておく。コンデンサには、必ずマイナス側に帯状の印刷がされている、またマザーボード上は、足の一方が白い半円の印刷の中にあるのが分かるだろう。通常はこの白い半円の印刷がある方がマイナス側の足を差し込むようになっているが、安全のためコンデンサのマイナス側が、白い半円かそうでない側にささっているかをメモしておくこと。

コンデンサマイナスの向きと基板のマーク

 コンデンサには2本の足があるが、どちらか1方をハンダで温めながら、コンデンサを傾けるようにしながら少し引き抜く。さらに反対側の足を暖め同じようにコンデンサを傾けて少し抜く。これを何回か繰り返し完全に引っこ抜く。

基板に印刷されたコンデンサの極性

コンデンサが基板にキッチリ付いている状態では、基板の印刷が見えないので、すこし抜いてから。ここでも懐中電灯が活躍する

コンデンサの取り外し

コンデンサを引き抜くときは、ハンダ面をこてで温めながら、部品面のコンデンサを少し倒して、少しずつ抜く。周りに人がいれば、基板を持ってもらうと作業しやすい

コンデンサの足の方向に向かって、左右に少し傾けはハンダで温め抜いていく。ハンダ吸い取り器を使っても、一気に抜けないので地道にやるしかない

 この作業、もし近くに人がいれば基板を持ってもらうと、効率的に作業できる。
 コンデンサを1本抜いたら、同じ容量(○○μf)のモノを続けて抜いてもかまわない。避けたいのは、違う容量のコンデンサまで抜いてしまうこと。どこに何μfのコンデンサが差し込まれていたのがわからなくなってしまうためだ。

引っこ抜いた穴のお掃除

 引っこ抜いた穴にさっそくコンデンサを突っ込みたいところだが、そうはいかない。穴にはハンダが詰まっていて、足が通らないのだ。そこで登場するのが、ハンダ吸い取り器という器具。

引き抜いた後の基板は、ランド(アナ)にハンダが詰まっていて、新品のコンデンサを通せない。そこで写真右のように、詰まっているハンダを吸い取り器で除去する

 これは、お尻のピストンをギュッっと押し込んで、横にあるボタンをポチッと押すと、バネの力でピストンが戻り、吸い込み口からハンダを吸い取るしくみになっている。

ピストンを押し込んだ状態にしてハンダを温める(写真左)。ハンダが溶け出したところでボタンを押すと、バネの力でピストンが戻りハンダを吸い込める(写真右)

 コンデンサの引き抜きと同様に、両手の間に基板を挟みこみ、ハンダ面でハンダを温め、部品面からハンダを吸い出す。こて先が解けて丸まっていると、この作業が非常に難しいので注意すること。

ハンダを吸い取る

これが交換作業で一番難しいかも? ハンダを温める時間は、だいたい5~10秒ほど

 もしハンダのこて先が溶けて丸くなってしまったら、紙やすりや金やすりでこて先を削って、尖らせると作業しやすい。

作業していると溶け出すこて先(写真左)。最近のこて先は、溶けないコーティングがしてあるものもある。丸まったこて先は、金やすりで削って先を尖らせよう。この先端をランドに入れるようにして、ハンダを温めるのだ

新しいコンデンサの取り付け

 破裂したコンデンサを抜くときにメモした取り付け方向に合わせて、新しいコンデンサを差し込む。あとはハンダ面から、ハンダとハンダごてを当てて、マザーボードにハンダ付けするだけ。
 ハンダの量は、ほんのわずかでかまわない。富士山型に盛り上がるようにハンダ付けできれば満点だ。あとは、余分な足をニッパーで切り取る。

あまった足をニッパーで切断

新しいコンデンサのハンダ付けが終わったら、余分な足をニッパーで切断。これで交換終了

逆の手順でパソコンを元通りに組み立てる

 破裂したコンデンサをすべて取り替えたら、逆の手順でパソコンを元通りにする。
 ただし元通りに組み立てなおしてから、電源を入れると手間がかかるので、パワーボタン類と電源ユニットのコネクタをマザーボードに差した状態(マザーボードによっては、キーボードとマウスも接続)で、1回電源を入れてみて正しく起動するかをチェックするといい。この状態では、ディスプレイも接続されていないが、起動に異常があると、たいてい聞いたことのないブザー音がする。たとえば「ピー」と鳴り続けたり、「ピピ!ピピ!」となり続けるなど。異常があったらすぐに電源を消して、コンデンサの向きなどが正しいかをもう一度チェックして欲しい。

次回予告

 最近のマウスはほとんど光る光学マウスになって、ボールにごみが付いて動きが悪くなるなってことは滅多になくなった。でも、今度は、すべり用の足にごみが付着してマウスが重くなるという事件が勃発! おかげでマウス肩こりになっちゃう人も……。
 次回は、ちょっとした改造で驚くほどマウスが軽くなるお話。
「第2話 スケートみたいに滑っちゃえ! テフてふテフロン♪るるるる~!」を乞うご期待!

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