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Opera Software訪問記(3)

Operaは生まれたときから、ギーク向けだった

2007年05月01日 19時00分更新

文● 編集部

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Operaはクロスプラットフォーム化を推し進める


 インターネットアプリケーションの今後の動向に関して、コメントを求めた筆者に対して、Tetzchner氏はひとりのユーザーが、さまざまなデバイスでインターネットにアクセスする「クロスプラットフォーム化が進んでいく」と答える。この際に重要となるのは、個別のデバイスに対してサイトを用意するのではなく、共通の技術が利用できる点だという。

 また、最近ではローカルのアプリケーションでありながら、インターネットに接続する機能を持ち、さまざまなASPサービスと連携できるソフトウェアも増えてきた。米アップル社の『iTunes』などがその代表格だ。

ウェブの標準技術を用いたソフトウェアは今後も増え続けると思います。一方でネイティブアプリケーションは減っていくでしょう。なぜなら、これらの開発には非常にコストがかかるからです。そこでブラウザーの技術が重要になってきます。われわれの強みは「どこでも使える」という点でしょうね。Internet Explorerにはモバイル版もありますが、Windowsでしか動作しません。Firefoxは、さまざまなOSをサポートしているもののデスクトップのみです。われわれはさまざまな機器に独立したサイトを用意することなく対応できます。

 同時に、ウェブベースのアプリケーションは企業システムでも一般的に用いられるようになってきた。Operaは伝統的にコンシューマー向けプロダクトにフォーカスを当ててきたが、「フルブラウザーを利用して、モバイル機器から企業システムにアクセスするニーズも高まってきている」とTetzchner氏は話す。

今回は詳しく触れられなかったが、Opera Softwareではブログなどを通じたユーザーコミュニティー“MyOperaコミュニティ”(http://my.opera.com/)の育成にも力を入れている。写真は、同社のリードウェブデザイナーを務めるFredrik Andersson氏。スウェーデン出身で、日本の原宿や日光にも訪れたことがあるという。CSSやアクセシビリティーにも造詣が深く、サイトをデザインする際にシンプルで使いやすいものを目指しているという



日本のユーザーから出る要求はとてもシビア


 Opera Softwareの代表として、来日経験も豊富なTetzchner氏。マルチOSに対応し、Internet ExplorerやFirefoxにはない、独自の操作性で高く評価されているデスクトップ版。機能の豊富さでケータイやPDAユーザーの信頼も厚いモバイル版。国内では、ともにブラウザーを良く知る玄人層に評判が高いが、そのことをよくご存知のようだ。

とても優れた技術があって、知識も豊富ですね。そして、要求もシビアです(笑)。

 日本のユーザーに対してメッセージをと要望する筆者に対して、Tetzchner氏は「日本のコミュニティーに対しては、今後も努力していきたいと思いますし、そうすることがわれわれの使命だと感じている」と答えてくれた。日本市場では、モバイルや任天堂のゲーム機といった新しい市場も立ち上がってきており、「そこにはデスクトップで培った経験が生かせる」と自信を見せる。

 最後にOperaブラウザーを開発したきっかけに関して質問を投げかけてみた。

もう何年も前になりますが、ブラウザーを開発しようと考え始めたのは1992年ごろです。ノルウェーの電話会社であるTelenorで、具体的な開発プロジェクトが発足したのは1994年ですが、当時はウェブサイトもろくにない状態でした。そういう意味では、Operaは当初からギーク向けのツールだったんです。

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