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X線でiPod nanoを丸裸に!

2007年04月30日 17時00分更新

文● 編集部

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ラベル付けは『Macintosh II』からの慣習


 もうひとつチップワークスの資料で語られていたことに「8GBのiPod nanoには“APPLE”の名前がついた電源管理チップとオーディオCODECチップが搭載されている」というものがある。

基盤の表側

基盤の表側

基盤の裏側

基盤の裏側

 分解を担当したチップワークスのシニア技術アナリスト、ディック・ジェームス(Dick James)氏は、アップルの名前が入った電源管理チップをオランダのフィリップス社製、オーディオCODECチップを英ウォルフソン・マイクロエレクトロニクス社製と予想していた。

 ジェームス氏は、「供給元がIBMやATIであっても、マイクロソフトの名前をチップに付けるという『Xbox360』で見られたトレンドが、iPod nanoにも見られる」と解説しているが、先の今井氏によれば、別にアップルはマイクロソフトに追従しているわけではないという。

 チップのアップルロゴは“アップル向けにカスタマイズされたチップ”という意味で、アップルは製造していません。チップの製造元ではなく、機器のメーカー元の名前を入れるというのは、カスタムチップでは比較的普通に見られます。(今井氏)


 “APPLE”の名前がついたチップといえば、古くからのコアなアップルファンなら思い当たる節があるだろう。

 “APPLE”の名前が入ったチップが搭載されるのは、iPodでは第2世代iPod nanoが初めてになると思いますが、Macintoshでは昔から普通に行なわれてきました。例えばチップセットに“APPLE”表記を入れること自体は、『Macintosh II』や『Macintosh/SE』の頃からの慣習です。


 最近では、インテルCPUを搭載する前のiMacやiBook G4などに採用されていた、メモリーコントローラー“Uni-N”、I/Oコントローラ“KeyLargo”、両者の統合チップである“Intrepid”などにも“APPLE”表記が見られます。


 インテルMacではチップの大半がインテル製を始めとする汎用チップに置き換えられたこともあり、“APPLE”表記は見かけなくなりました。しかし、今でもMacに内蔵されているHDDや光学ドライブには、アップルがファームウェアをカスタマイズしたことを示すアップルマークが誇らしげに残されていますね。(今井氏)


 普段何気なく使っているiPodも、分解してみればその中に語り尽くせぬ(?)深~いストーリーが隠されているのだ。どんなエンジニアが、どんな苦労をしてあなたのiPodを作り上げたのか──。分解記事を見ながら、そんな思いを馳せてみてはいかがだろうか。


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