日本AMD主催のイベント「DIYの未来予想図II+ ~ ところでII+って何? え?! 2+?! ~」が、TSUKUMO eX.の店頭で開催された。今回のイベントは、これまで行なってきた性能比較デモを中心とした内容から趣向を変え、PC DIY市場へのメッセージや、AMD製品の活用方法の新提案などを盛り込んだ内容となった。
イベントでは、まず同社の最新チップセット“AMD 690”の説明が軽く行なわれた後、“兄貴”こと土居憲太郎氏が登場。彼自身が作ったPCが紹介された。「兄貴のQuad」と名づけられたこのPCは、Athlon64 FX-74を搭載した水冷マシンで、Blu-rayドライブや“GeForce 7900GTX”搭載ビデオカードを2枚差してSLI動作させるなど、かなりハイエンドな構成となっていた。“兄貴”によると、仕事の合間に約1ヵ月かけて製作したという。
この「兄貴のQuad」の活用法だが、主にエンコードで使用しているとのこと。毎晩PSPで動画を観てから寝るのが日課という“兄貴”。いちいち家に帰ってからPSP用に動画をエンコードしていたら時間がかかるので、会社のノートPCからリモートデスクトップ経由で自宅の「兄貴のQuad」にアクセス。仕事をしているふりをして「携帯動画変換君」で観たい動画をエンコードしているという。こうすれば家に着く頃にはエンコードが完了しているので、あとはPSPにファイルを移動させるだけと語った。
“兄貴”はここでいったん退場するが、デモは続いた。「Quad FX」マシンを買うために家族を説得する有力なネタとして「VM ware」を使用した仮想化を紹介。仮想PCを作ることで、家族全員で「Quad FX」のパワーを利用できるため、自分専用のPCを買う時よりも奥さんからお金を引き出しやすいとアピールしていた。
また、Windows Vistaの新機能“フリップ 3D”を使用した新しい活用方法として「100個フリップ」を紹介。これは1文字だけ書き込んだメモ帳を100個立ち上げ、それを“フリップ 3D”でスクロールさせるというものだ。これは新しい表現方法としてもしかしたら一部で流行るかもしれない。ただし、作るのは非常に面倒だ。
ここで再度“兄貴”が登場。いよいよ核心となる今後のロードマップが明かされた。今年下半期に、ネイティブでクワッドコアに対応したCPUと、L3キャッシュ共有型のデュアルコアCPUを投入し、これらは新ソケットとなる“Socket AM2+”を採用すると発表。この“Socket AM2+”は従来の“Socket AM2”と互換性があるため、“Socket AM2”マザーボードを持っていれば、わざわざマザーを買い換えなくても新CPUが使用できるとのこと(一部利用できない機能もある)。“Socket AM2+”ではHyperTransportが1.0から3.0に引き上げられ、コア単位でクロックを制御する“Split Power Plane”と、発熱を抑える“Enhabced Cool'n' Quiet”がサポートされるようだ。