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「セールスフォースは、マルチテナントが入ったアパートのようなもの」〈ことば〉

2007年04月19日 19時54分更新

文● 編集部

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 マイクロソフトやSAP、オラクルが提供するのは「シングルテナント」。“Salesforce.com”が提供するのは「マルチテナント」。Salesforce.comはいわば、アパートのような集合住宅で、共通のルールを多種多様な企業が共有する。

CEOのマーク・ベニオフ氏

 来日した米セールスフォース・ドットコム社の会長兼CEOマーク・ベニオフ(Marc Benioff)氏は、自社の提供するサービスをこんなふうに表現した。

 Salesforce.comは、顧客データベールの管理や商品の売買の履歴といった情報の管理(CRM)を、“SaaS”(Software as a Service)モデルで提供するサービス。Salesforce.comでは、CRMを実現する上で必要なソフトウェアを、パッケージソフトやシステムとしてではなく、インターネット上のサービスとして提供する。短期間でのサービス導入やシステムの完全なアウトソース、容易なバージョン管理などが特徴だ。

 Salesforce.comの導入実績は全世界で3万社に迫る勢いだという。ユーザーアカウントの総数も64万6000を数える。国内でも「過去12ヵ月間でユーザーアカウント数が40%増加」(ベニオフ氏)しており、今回行なわれたCEOの来日記者会見でも、日本郵政公社が顧客情報管理システムとして5000アカウント、三菱UFJ信託銀行(株)が500アカウントを導入することが明らかになった(関連記事)。

 ベニオフ氏は「eBayやAmazon、Googleといった企業のサービスもまたマルチテナントである」と話す。会見では、iTunes StoreやAmazonのようなオンラインストアーと同じ感覚でサービス購入できる“AppStore”、JavaのVirtual Machineのように顧客が開発したサービスを自由に実行できる“Apex”というプラットフォーム、Salesforce.comを利用する企業間でビジネス情報の共有やコラボレーションを“AppExchange”など、Salesforce.comは、今後もマルチテナントが入るプラットフォームとしての性格を強めていく。

「データセンターの運営という面では、Salesforce.comはeBayやAmazonのベストプラクティスも共有している」とベニオフ氏は話す。Salesforce.comに参加する企業からのフィードバックによって、サービスの質そのものが強化される点もマルチテナントの強みと言えるだろう。

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