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「日本を代表する組織に選ばれた」――郵政公社がセールスフォースを大量採用

2007年04月19日 18時08分更新

文● アスキービジネス編集部

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セールスフォース・ドットコムは、4月19日、日本郵政公社に同社のSaaS型CRMアプリケーションが採用されたと発表した。来日した米セールスフォース・ドットコムのCEOであるマーク・ベニオフ氏が会見し明らかにした。採用数は5000ユーザーに上り、国内での採用実績としては最大規模になるという。


5000ユーザーを採用する郵政公社、信頼性と拡張性が決め手に


「日本を代表する企業・組織と最大の契約を結ぶことができたことをうれしく思う。この事例は、今後の他の日本企業の導入において、重要な意味を持つだろう」

 米セールスフォース・ドットコムの会長兼CEOであるマーク・ベニオフ氏はこのように話す。同社の「Salesforce」が日本郵政公社の顧客管理システムに採用され、5000ユーザーの利用が決まったことを受けてのことだ。日本法人の代表取締役社長を務める宇陀栄次氏も、「日本の金融機関や官公庁は保守的だといわれがちだが、新しい会社の新しいモデルに対して、フェアでオープンに評価していただいた」と喜びを隠さない。

米セールスフォース・ドットコム 会長兼CEO マーク・ベニオフ氏

米セールスフォース・ドットコム 会長兼CEO マーク・ベニオフ氏

 日本郵政公社は今年10月に持ち株会社である「日本郵政株式会社」とその事業子会社に分割される予定だが、今回は郵便局の窓口業務を行なう「郵便局株式会社」の顧客情報管理システムとして利用される。顧客データの管理、クロスセルや顧客への情報提供に用いる計画で、NTTデータが提案し、1年半の交渉期間を経て採用が決まった。

 採用理由についてベニオフ氏は、データセンターの冗長性やサーバの稼働状況を公表している透明性など「サービスに対する高い信頼性がある」と話す。また、宇陀氏は「当初はシンプルなCRMとしての利用だが、将来の発展的な使い方に対して対応できるという点では、セールスフォースが唯一の選択肢」と述べ、拡張性を見据えた導入であることを強調した。


加速する国内のパートナー企業との連携


 日本におけるSalesforceの利用拡大には、大量導入の実績に加えて、同社が推し進めるプラットフォームビジネスの成功が欠かせない。併せて同日、セールスフォースは国内のパートナー2社と共同で、新たな製品連携を発表した。

 ひとつは、フィードパスがSaaS型で提供するWebコラボレーションツール「feedpath Zebra」との製品連携「feedpath Zebra for AppExchange」。feedpath Zebraは、米ジンブラの「Zimbra Collaboration Suite」をベースにローカライズしたもので(関連記事)、連携により、スケジュールやメール、連絡先などの情報をZebraからSalesforceに渡すことができる。もうひとつは、コクヨの「@Tovas(アットトバス) for AppExchange」で、Salesforce上からファクスやファイル送信を実現するソリューションとなる。

 ベニオフ氏は、常に米国と同タイミングで新バージョンをリリースし続けている点などを挙げ、「日本を米国に次ぐ重要なマーケットとして認識している。成功には長期間のコミットが重要。何十年も継続してビジネスを行なう、骨を埋める覚悟がなくてはダメ」と発言。今後も日本市場に対して注力していく姿勢をアピールした。

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