(株)アイ・オー・データ機器は17日、家庭向けに機能を特化したRAID 5対応ネットワークHDD(NAS)“LANDISK HOME HDL4シリーズ”を発表した。HDDを4台内蔵し、LANで接続されたパソコンやDLNA対応テレビなどで、蓄積されたビデオや音楽を楽しめる。価格は1TBモデルの『HDL4-G1.0』が7万4000円、2TBモデル『HDL4-G2.0』が13万6000円(いずれも税別)。発売時期は今月下旬の予定。
HDL4シリーズは、同社のRAID 1+0/RAID 5対応NAS“LANDISK Tera HDL-GTシリーズ”をベースに、ホームユーザー向けの機能に特化することで小型化と低価格化を実現したNAS製品である。HDL-GTシリーズはHDDを交換可能なカートリッジに収めて、ホットスワップなどの機能やeSATA対応のHDD増設機能などを備えるが、HDL4シリーズは同じベースシステムを使いながらこれらの機能を省くことで、低価格を実現している。幅121×奥行き126.5×高さ195mmの小さなボディー内には、4台の3.5インチHDDを内蔵。最大で2TBの記憶容量を実現している。
HDL4シリーズはRAID 5に対応しており、HDDの故障などによるデータ破損を防ぐ機能を持つ。出荷時の状態でRAID 5構成となっており、1TBモデルの場合は約750GB、2TBモデルでは約1.5TBの記憶領域が利用でき、残る容量がパリティー領域に割り当てられている。記憶領域は1台のドライブとして見えるように構成されている。また、HDD 4台分の容量をすべて1つの記憶領域にする“スパニング”構成に変更することも可能である。
さらに、HDL4シリーズはHDDの故障に備えて、ユーザーによるHDDの交換も可能となっている。本体ケースはドライバー不要で開けることができ、HDDの交換も簡単に行なえる。ただし、ホットスワップには対応しない。RAID 5構成のHDDを交換した場合の再構成も、自動で行なわれる。
DLNAサーバー機能で、ビデオや写真を配信
HDL4シリーズのもうひとつの特徴が、本体に“DLNAガイドライン 1.0”に対応したDLNAサーバー機能を搭載している点である。LANで接続されたパソコンから、ビデオや静止画をHDL4側に転送しておくと、パソコン側のDLNAクライアントソフトやDLNA対応テレビ、同社のネットワークメディアプレーヤー“AVeL LinkPLayer”などを使って、LAN経由でHDL4内のビデオや静止画を再生できる。
またiTunes Server機能も備えており、HDL4内に転送したiTunes対応の音楽ファイルを、LANで接続されたどのパソコンからでも再生できる。そのほかに、本体前面に装備したUSBポートを使って、USBで接続したデジタルカメラからボタンひとつで写真を取り込む機能も備えている。
そのほかに、(株)東芝の液晶テレビ“REGZA Z2000”シリーズのLAN HDD機能にも対応している。HDL4とZ2000をLAN接続することで、別途レコーダーなしで直接HDL4にデジタル放送を録画できる。1TBモデルではハイビジョンの地上デジタル放送を約106時間、2TBモデルなら約212時間分の録画が可能としている。
家庭向けを意識した製品であるため、設定の簡易さも重視されている。ウェブブラウザー経由で操作できる設定メニューはシンプルで、表示されるテキストも分かりやすくなっている。またウェブブラウザーを備えてDLNAに対応するテレビ(REGZA Z2000)であれば、テレビのウェブブラウザーからHDL4の設定を行なうことも可能となっている。
お詫びと訂正:掲載当初、BRAVIA J5000/J3000シリーズでもHDL4の設定が可能と記載していましたが、正しくはREGZA Z2000のみでした。ここに訂正するとともに、お詫びいたします。(2007年4月18日)
ネットワークインターフェースは、10/100/1000BASE-T準拠のGigabit Ethernetに対応。1000BASE-T対応のネットワークインターフェースを備えるパソコンと接続すれば、高速なファイル転送が可能なる。WindowsやMac OSのファイル共有サービスに対応しており、一般的なネットワークHDDとしても利用できる。また、付属ソフト“Sync with”(Windows Vista/XP/2000用)を利用すると、パソコン上に撮り貯めたビデオコンテンツをHDL4側と簡単に同期させることもできる。