ヤフー(株)は16日、気に入ったウェブサイトのURLをインターネット上に保存できる“Yahoo!ブックマーク”にソーシャル機能を追加したと発表した。
国内で2001年8月にサービスが開始された“Yahoo!ブックマーク”は「毎月1回はサービスを利用するアクティブユーザーID数が25万人、登録URL数が約3700万件の日本最大のブックマークサービス」(ヤフー(株)検索事業部の前川英之氏)だという。
Yahoo!ブックマークは、日米のYahoo!の開発者が共同で開発したもので、米ヤフー社の開発したパーソナライズド検索“My Web 1.0/2.0”の持つ全文保存/全文検索の技術や、米ヤフー社が2005年に買収したソーシャルブックマークサービス“del.icio.us”のコンセプトやノウハウも一部盛り込んだものだという。
個人のツールから共有できるツールへ
新たに追加されたソーシャル機能とは、ユーザー自身が登録したオンラインブックマーク“Myブックマーク”の情報をほかのユーザーに公開し、共有できる機能。共有されたブックマークは、ユーザーごとに用意されたサイト(http://bookmark.yahoo.co.jp/【Yahoo! JAPAN ID】)に公開されるほか、Yahoo!ブックマーク内に設けられた“人気ブックマーク”のタブで、ブックマークされている数の多い順に表示される。
公開されたブックマークは、人気ブックマーク内に設けられた検索窓から、全文検索することが可能。これ以外にも各ブックマークに付加されたタグ情報やURLの一部(ドメイン名など)で絞り込める。“人気のブックマーク”や、各ユーザーの“Myブックマーク”に登録されたブックマークの情報は、RSSが配信されるため、人気のあるサイトの最新動向や趣味趣向の近いユーザーのブックマークをウォッチすることも可能だ。
また、自分のブログ記事などを1クリックでYahoo!ブックマークに登録できるようにする“Yahoo!ブックマークに登録”ボタンと、自分のサイトを何人がYahoo!ブックマークに登録したかが分かる“ブックマーク人数表示”という2種類のブログパーツも用意している。
期間限定サイトの保存にも対応
Myブックマークへの登録は、従来は専用フォームからURLなどの情報を入力することで行なっていたが、今回からはこれに加え『Yahoo!ツールバー』(Internet ExplorerやFirefoxのアドオンソフト)の最新版に設けられたボタンや人気ブックマークのタブにリストアップされたリストの脇にあるアイコンからワンクリックで行なえるようになった。登録したブックマークは、タグ付けが可能なほか、ドラッグ&ドロップでフォルダー分けすることもできる。
サイトをブックマークに登録した際には、その全文がYahoo! JAPANのサーバー内にキャッシュとして保存される。これにより、登録したサイトが移転したり、削除された場合でも、その内容を確認したり、Yahoo!ブックマークの検索機能を使って全文検索を行なえるようになった。登録可能なURLの数は1IDあたり最大1万件で、キャッシュした内容はそのブックマークを登録したユーザーのみが参照できる。また、削除された画像やPDFファイルなどは保存されない。
なお、Yahoo!ブックマークの新バージョン公開と同時に配布が始まったYahoo!ツールバーでは、上述したブックマーク機能に加え、フィッシング対策機能も追加されている。この機能は、Yahoo! JAPANをかたった偽サイトを検出するためのもので、一般的なフィッシングサイト検出機能で用いられているブラックリスト方式ではなく、「Yahoo! JAPANにしか入っていない要素があるかないかで、フィッシングかどうかを判断する仕組みになっている」(ヤフー(株)のサービス統括部の川添貴之氏)という。
米ヤフーの検索部門で、プロダクトマネージメント ディレクターを務めるフレッド・デルシー(Fred Delse)氏は、開発のビジョンとして「インターネット上に作られた人類の記憶装置」(The Human memory on the Internet)を掲げたと話す。
また、前川氏は「月間25万人のアクティブID数を近いうちに倍に増やすことが目標。現状ではブックマーク市場そのもののパイはそれほど大きくないが、市場規模を拡大する方向で努力していきたい」と、抱負を述べた。