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大型連休は上野の森で、科学の目で日本を再発見、な~んていかが?

ITをたっぷり取り込んで生まれ変わった“かはく”日本館を一足先にプレビュー!!

2007年04月15日 05時32分更新

文● 千葉英寿

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●フタバスズキリュウやハチ公、南極を生き抜いたジロがお出迎え

中央ホールの美しいドームとステンドグラス

中央ホールの美しいドームとステンドグラス

“国立科学博物館――人類と自然の共存をめざして”を全館テーマとする同館では、“地球生命史と人類”をテーマとした新館“地球館”を平成16年(2004年)にオープンさせた。今回、オープンする日本館は新築された地球館とは異なり、旧本館をリノベーション(改修工事)したものだ。最近、過去の価値ある建築物を原形のイメージを崩さず、外観や外壁だけは残して高層部分を増築するといった手法が取られるケースも多いが、旧本館は外観/内観ともにほぼ原形のままで、中央ホールの美しいドーム型の天井やステンドグラスもそのまま残されている。

1F正面から見た中央ホールの美しいドーム

1F正面から見た中央ホールの美しいドーム

日本館では“日本列島の自然と私たち”をテーマに、日本列島が成立し、現在の多様な自然と日本人が形成されるまでの壮大なプロセスを効果的な演出によって展開している。展示フロアは、中央ホールを中心に南北に展示室が設けられ、壁際を使った回廊型の展示で長めの導線を確保しており、思ったよりゆったり見学できる。フロア構成は以下の通りで、分かりやすい展示ストーリーの構成と動線を図っている。

3階
南翼“日本列島の素顔”
北翼“日本列島の生い立ち”
2階
南翼“生き物たちの日本列島”
北翼“日本人と自然”
1階
南翼“自然をみる技”
北翼 企画展示室

1F正面から見た中央ホールの美しいドーム

3階北翼“日本列島の生い立ち”のエントランスに設置された“フタバスズキリュウ”の骨格模型(上)と実際に発掘された状況を再現した化石(下)。白亜紀後期(約8500万年前)に日本近海に生息していた首長竜で、化石は1968年に福島県いわき市で発見された

展示には良質な実物標本資料が数多く展示されており、各展示室の入り口にはインパクトのある導入展示が展開されている。3階北翼の“日本列島の生い立ち”では、フタバスズキリュウの実物大骨格模型と発掘時を再現した化石が出迎える。2階北翼の“日本人と自然”では、多くの祖先の化石やこれを元に当時の様子を生き生きと再現したレプリカが目を引く。また、人と社会を取り巻く生き物として、以前から人気の展示物であった秋田犬の忠犬ハチ公と、南極調査隊でのエピソードで知られる樺太犬ジロが来場者を迎える。

“パレオパラドキシア”の全身骨格

“パレオパラドキシア”の全身骨格。約1300万年前に絶滅した哺乳類の仲間(3階北翼“日本列島の生い立ち”)

日本の鉱物

壁面一面に展示された“日本の鉱物”

日本列島の自然の亜寒帯コーナーの動物たち

南北に長い日本列島の自然の亜寒帯コーナーに設置された動物たち(3階南翼“日本列島の素顔”)

日本人が育んだ鶏たち

“日本人が育んだ生き物たち”で紹介されているさまざまな鶏(2階北翼“日本人と自然”)

日本列島の自然の亜寒帯コーナーの動物たち

2階北翼“日本人と自然”には日本人の化石標本などとともに、それぞれの時代の人々の暮らしをレプリカで再現している。写真は左から、原始、縄文、中世、江戸と並んでいる。右端の現代人のブースには何もなく、来場者が入れるようになっている。つまり、あなた自身が現代人の展示標本だということだ

ハチ公とジロ

“かはく”でもっともよく知られている、ハチ公(下)とジロ(上)。いずれも誰もが知っているエピソードの主人公たちだ(2階北翼“日本人と自然”)

トロートン赤道儀

1階南翼“自然をみる技”のエントランスを飾る“トロートン赤道儀”(重要文化財)。明治初期に輸入され、わが国初の本格的観測に用いられた天体望遠鏡だ

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